保土ヶ谷モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売している保土ヶ谷モックセンターの中の人のブログです。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

格安スマホ(MVNOの方)の将来に不安を覚えています


 最近のUQバイルさんはテレビCMを大量に打ちまくっておられますので、テレビで見ない日がありません。


 私個人的には深田恭子さんが好きなので嬉しいのですが、しかしギョーカイ的には、この状況はあまり好ましいものでは無いのではないか?と勝手に不安視をしています。


 と言いますのも、MVNOというのは様々なコストを削ることでMNOよりはるかに安価なサービスを提供するというのが本来の立ち位置ではないかと私は思っておりまして、しかし最近のUQバイルさんのように、KDDI傘下として豊富な資金力を武器に莫大なコマーシャルを打って、要するにコストをかけまくってシェアを奪いまくるような状況になれば、本来的な活動をしてきたその他のMVNO事業者が追いついていけずに、死に絶えてしまうのでは?と危惧をしているのです。


 また、それによって多くのMVNO事業者が死に絶えて、結局は既存のMNOと、それらのサブブランドのワイモバイルとUQバイルだけが生き残るようでは、元の木阿弥になってしまうではないかというのが、私の不安の最も大きな理由となります。


 
 実は弊社では数年前の一時期、とあるMVNO事業者の販売代理店となって販売に携わってみた事があります。


 それで弊社のある西谷商店街で、特に保育園帰りの親子連れが多く通る時間帯にうまい棒を付けたチラシをサンプリングしながら、多少興味のありそうな方々と商談と呼べるほど煮詰まってはいない緩やかな会話をさせて頂いたのですが、その数々の会話の中から、これでは少し手間がかかりそうだと判断し、結局は販売代理店を続けることを諦める判断を致しました。


 「手間がかかる」等と言うと、まるで私が楽をして稼ごうとしているかのようですが、そこまで甘い考えではもちろん無く、単純に時給換算と予想収益で釣り合わないと判断をしたという意味です。


 あくまで仮の話ですが、1つの契約をいただく毎にキャリアから頂けるインセンティブが3000円だったとしますと、その契約のために割ける時間はせいぜい数十分がいい所です。私の給料や経費が2000円/時だったとすれば、1契約を取るのに90分以上かけてしまえば採算割れになってしまいます。
 そして、実際に本気で取り組もうとすると、そうなる公算が高いと見て、それで続けることを諦めたわけです。


 ではなぜ手間がかかる、接客に長い時間がかかるかと言いますと、保育園に通うお子様がいらっしゃるような比較的若い現役世代の方々たちであっても、リテラシーがそこまで熟成されていないと感じたからです。


 おおまかな知識さえあれば、MVNOへの乗り換えがそんなに難しい話でないのは皆さんもよくご存知だと思います。もちろんそれはこちら側目線にならないよう、あくまで消費者本位で考えて、ガジェット好きが持っているようなスナドラがどうとか周波数がどうとか小難しい話は全くせず、同じスマホのまま料金が安い携帯キャリアに乗り換えられる。毎月の料金が6000~7000円だったのが2000~3000円に下がるというレベルの説明に過ぎないのですが、それを説明し終えるのに90分以上かかりそうな人の割合が思った以上に多かった、という意味です。


 携帯電話の普及率が50%を越えたのが2000年度で、ドコモがパケホーダイを始めたのが2004年ですので、デジタルネイティブ世代といえる人達が携帯電話を使い、毎月の料金に意識を払うようになってからゆうに10~15年の月日が経っております。これだけ時間があれば基本料金とiモード使用料とパケット定額制基本料の3つの構成くらい頭にあって良いはずだと私は考えていたのですが、現実はそうでは無かったと気付かされたのです。
 そして、あまり熟成されていない所をスタートラインとして、そこから時間をかけて拡販に取り組むためには、MVNOのインセンティブではとても足らないというのが私の判断だったわけです。


 この経験を通して私は、MVNOの普及がそこまで伸びてこない理由が、肌感覚として掴めてきました。



 こういった、利用者のリテラシーが思ったほど熟成されていないという状況を一気に突破する方策として、UQバイルさんの大量の広告投下は、ある意味で正しいのかもしれません。

 
 全国の販売店が各々で地道に説明を重ねても一気に数字を伸ばすことは出来ませんが、テレビのような破壊力と謎の信用力を持つ広告媒体を用いる事で、ある種のムードみたいなものが出来れば、小難しい話を著しく取っ払いまくった上で「なんかUQバイルがいいらしい」という印象を持ったお客さんをかき集められるからです。


 ただし、それではMVNOの本来的な立ち位置を逸脱してしまうではないかと、元の話へと戻っていくわけです。


 携帯電話の料金システムがわかりにくいのは事実ですが、そうは言っても10年や20年も使い続けていれば、もうそろそろ輪郭くらい掴めていても良いのではないだろうかと私は思っているのです。
 そしてその輪郭くらい掴めてさえいれば、あとはお金をかけたテレビコマーシャルの勢いに頼らずとも、消費者が各々で自分にあったMVNO事業者を見つけ出して契約する流れができて来るのではないだろうかと私は思っています。
 しかし現状がこれでは、MVNOの将来が不安で仕方がありません。


 ここ最近、主だった併売(複数キャリアを扱うお店)の携帯ショップの中でUQバイルの売り場スペースをしっかり確保するお店が増えてきました。それまで併売店が扱うMVNOといえばスマモバさんやUモバイルさんが中心でしたが、UQさんがポスターやパンフレットだけでなくモックまで配布するようになって、一気に形勢が逆転してしまいました。
 UQさんがZenFoneやHuaweiのモックを配布してくれる恩恵に浴している弊社がUQさんを否定的にコメントするわけにもいきませんが、さはさりながら、このままでは他のMVNO事業者は相当苦しむに違いないと、そのように感じている所です。


 かつてはツーカーアステルも上位3キャリアとの競争に敗れて歴史に幕を閉じていったわけでして、日本の市場環境や市場性から鑑みて、あまり多くの選択肢が求められていないという事なのかもしれませんけれども、私としては、やや寂しく感じている所でございます。