モックセンター のブログ

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ブラック労働問題

 今日は弊社の業務と直接関係のないブラック労働問題について書かせていただきたいと思います。


 と言いますのも、どうにもこの件が頭に引っかかって取れないのです。


www.daily.co.jp


 私は個人的にブラック労働問題について深い関心を持ってきました。


 私は若い頃にホワイト企業から国内有数のブラック企業に転職をし、そこで2年ほど勤めた経験があります。
 ほとんど残業させてくれず、有給休暇を消化しないと人事部から注意を受け、セクハラ・パワハラにも非常に厳しいホワイト企業から、成績が悪いと深夜まで働かされ、休みは取れず、公衆の面前で大声で目標を絶叫させられたりするブラック企業へ、本当に海外移籍したのかというくらい極端な違いを肌で感じてきました。


 私は幸い成績や取引先からの覚えがめでたかったのもあって酷い目には遭わずに済みましたが、気の毒な上司や同僚たちを何十人と目の当たりにしてきました。電話越しに罵声を浴びせられるのは日常茶飯事でして、酷い場合は普段の業務を終えた後に本社に呼び出されて、そこでも罵声を浴びせられ、そして深夜の繁華街で明日の目標達成に向けた意気込みを絶叫させられたり、他にも色々あったようです。

 それで、お給料がそこそこ高かったのですけど、明日は我が身だと心配になりまして、2年で退職をしたわけです。


 それから後は主に外野から世間のブラック労働問題を眺めてきたわけですが、事態は改善するどころか悪化の一途を辿り、前途ある若者が自ら命を絶つニュースなどもひっきりなしに流れてくる時代になってしまいました。
 不幸中の幸いで私の周りで自ら命を絶つ人は現れておりませんが、見ず知らずの人であってもブラック労働が原因で命を絶つニュースというのは心が重くなるものでして、そういった人たちに対して何一つ役に立てない自分をもどかしく感じていました。

 
 私は私で自分の勤め先の労働環境を改善させる位の事はできるのです。労働環境を改善したほうが、それより前よりはるかに業務効率が向上して成績が上向くという現実もわかっているのです。
 しかしながら、その考えが世の中ではいまいち広まっていかない、もどかしい気持ちがありました。


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 ブラック労働が原因で鬱を患った人から、鬱とはどういうものか実際にお話を伺った事もありました。

 毎朝の通勤で駅のホームに立つ時、何度電車に飛び込もうと思ったか数え切れないほどだと伺いました。正常な精神状態であれば、電車に飛び込んで命を落とせばご家族が悲しむ等の負の側面を冷静に考えられるけれども、鬱を患った人間はそういった前後左右が一切見えなくなって、電車に飛び込むことしか考えられなくなると言います。
 症状は人それぞれで違うのかもしれませんが、いずれにせよそういう状態に陥ってしまった人は、まずどういう状況であれ休ませる事が何より重要だと、深く認識しました。


 さて、今回の清水富美加さんは何らかの心の病を患ってしまったのだと、宗教団体側からの発表がありました。念のためセカンドオピニオンも受けて診断書を2通取ってあるというのが団体側の説明ですが、他方で、くだんの芸能事務所側は症状や診断書の存在を疑問視するコメントを残しているようです。


 これが、私は芸能事務所側の認識が甘いのではないかと思えてならないのです。


 日本のお医者さんは結構色々なレギュレーションがしっかり定められていますので、そんなに的外れな答えは出してこないのでは?と考えられますし、それをましてや医療の専門家でもない芸能事務所や弁護士が疑問視をするというのは、清水富美加さんをモノとしか考えていないように見えてしまいます。
 まずは心の病を心配し、状況に気付いてあげられなかった事を真摯に詫びるならともかく、本当に心の病なのかを疑って、それよりも契約の不履行を咎める姿勢を取るというのは、心の病が死に直結するという危機感を欠いていると、私は感じるのです。


 それこそ、電通の過剰労働が原因でお亡くなりになった若い女性の後を追いかねない、大変危機的状況であるという認識を持つべきだと私は思います。


 今回矢面に立っている宗教団体は一方であまり芳しくない噂があるのも存じておりますが、こと今回の件に限って言えば、ファインプレーだったと感じてしまいます。

 テレビ界や芸能事務所のような屈強な組織と真っ向から対峙するともなれば、それこそ公共の電波を使った様々なネガティブキャンペーンを張られかねない大変リスキーな事ですが、今回宗教団体は身体を張って救い出したと表現する事も出来るわけでして、今まで表に出てきている情報を総合して言えば、あくまで今回の件に限ってと注釈をつけますが、私は宗教団体側に軍配を上げたいと考えています。




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 今回の件はテレビでも盛んに取り上げていますが、傾向としては芸能事務所の肩を持つ論調が目立ちます。それは業界内の論理として自然なのかもしれませんが、しかしながら、公共の電波に乗せて何百万何千万もの人々に誤ったメッセージを広めかねない、危険な傾向だと私は思います。


 例えば、冒頭で触れたデイリーの記事では実父が自己破産したという極めてセンシティブな個人情報を広めていますが、これが一体何の関係があるのか、ややもすれば嫌がらせとも取られかねませんし、ブラック労働を強いる経営者が労働者の家族をも巻き込む手法と相通ずるのではと感じてしまいます。


 やはりデイリーの記事で、月収5万の時期もあったが今では年収1千万超だとありますが、「月収50万円以上も可能!」という餌で人を集める、将来の高待遇を餌に違法な低賃金労働を強いるパターンも世の中に蔓延っているわけでして、これらの行為があたかも合法であるかのような誤ったメッセージを世間に広めかねない、とも危惧しています。


 今回の騒動は清水富美加さんという若者に人気の高い芸能人にまつわるものですから、テレビや新聞が誤った知識を広めることが、無知な若者がブラック企業の言いなりとなり、破滅の道にはまり込む一助になりかねない、大変危険なものだと言わざるを得ません。



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 ブラック企業ブラック労働で思い悩んでいる皆様方に伝えたいのは、まずは一旦その場を離れて、そして数日間は休んで冷静さを取り戻しましょうという事です。清水富美加さんと同じように「無責任だ!」「他人に迷惑をかけるな!」と言われることもあるかもしれませんが、一旦耳栓をして周囲の声をシャットアウトして冷静になり、少し落ち着いたら法テラスにでも行って、きちんと法律の専門家に相談をすれば良いと思います。


 近年「他人に迷惑をかけるな!」という声があちこちに飛び交っていることが、私は気がかりでなりません。赤ちゃんを乗せたベビーカーしかり、インフルエンザしかり、とにかく二言目には「他人に迷惑をかけるな!」という声が飛び交っていますが、その声に押されて最後に命を落とすような事があっては本末転倒ではないでしょうか。

 
 とにかく、全国のブラック労働に苦しむ皆様方に、一刻も早く平穏な日々が訪れることを願ってやみません。



 携帯電話とも業務とも関係のないことを長々と書いてしまい、大変失礼いたしました。