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保土ヶ谷モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売している保土ヶ谷モックセンターの中の人のブログです。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

モックのディスプレイには時代が描かれています

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 日本国内で流通している携帯電話のモックアップは携帯電話の販売店で用いる販促物としてこの世に存在しておりますので、したがってディスプレイには何かしらの宣伝文句が描かれているのが一般的です。


 最近はそうでもありませんが、携帯電話の機能が日進月歩で進化していた頃は、着信メロディが16和音だとか40和音だとか、カメラの画素数が100万画素とか200万画素とか、その手の宣伝文句がぎっしり詰まっておりました。


 カラー液晶の黎明期は、モックに描かれてあるハメコミ画像と実機の表示具合があまりに異なるので「サンプルとぜんぜん違うじゃないか!」とおしかりを受ける事もしばしばでした。
 携帯電話にカラー液晶が搭載されるようになったばかりの頃はSTN方式の256色液晶で、昼間にある程度明るい所で画面を見ようとしても反射がきつくて全く読み取れないという事も少なくありませんでしたが、モックのハメコミ画像はキレイな写真で視認性もバッチリでしたから、お客様がお怒りになるのも無理はありませんでした。
 今なら誇大広告でコンプライアンスの問題にもなりかねないもので、あんなものがまかり通っていた当時はおおらかだったなぁと、つい思い出してしまいます。


 そんなこんなでモックのディスプレイですが、その時代を思い起こすツールとして面白いと思いましたので、いくつかご紹介いたします。今回は全てドコモの「N」で振り返ってみます。



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NTTドコモ N101 HYPER デジタルムーバ モックアップ 【ネコポス非対応商品】 - 保土ヶ谷モックセンター


 1995年の年末に発売された「N101ハイパー」です。

 まだアルファベットとカタカナと数字しか表示できない時代ですし、そして何より電話番号の桁数が今よりも1つ少ない10桁です。
 もう当時のことを覚えている方も少なくなってしまったのではないでしょうか。1990年代は電話番号の桁数が変わるというイベントが固定電話の世界でもありました。東京23区の電話番号の桁数が1つ増えたのが1991年、携帯電話の桁数が増えたのは確か1999年だったと思います。
 このモックに描かれてある電話番号は「030」です。これが最初期に使用されていた携帯電話の市外局番で、やがて数字が足らなくなって「040」が出てきて、11桁化した時に「090」に統一された、という流れだったと記憶しています。
 当時はほとんど通話くらいしか使い道がありませんでしたので、電話番号が変わるというのは一大事でした。だから世の中もてんやわんやしたような、そんな記憶もありますね。



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NTTドコモ N201 HYPER デジタルムーバ モックアップ 【ネコポス非対応商品】 - 保土ヶ谷モックセンター


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NTTドコモ N202 HYPER デジタルムーバ モックアップ 【ネコポス非対応商品】 - 保土ヶ谷モックセンター



 お次は1996年後半に発売された「N201]と「N202」です。こちらも電話番号が10桁の時代ですが、片方が「080」でもう片方が「010」です。電話番号が足らなくなってなし崩し的に市外局番を増やしていた時代の名残です。「080」は後になって復活しましたが、この他に「040」もありました。


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NTTドコモ N206sHYPER モックアップ 【ネコポス非対応商品】 - 保土ヶ谷モックセンター


 それが1998年に発売されたこの「N206s」です。1998年と言いますと忘れもしない横浜ベイスターズ日本一の年ですので私はつい最近の事のように感じているのですが、気付けばもう19年も前になります。この時期になると液晶画面に漢字を表示できるようになります。


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NTTドコモ N501i モックアップ 【ネコポス非対応商品】 - 保土ヶ谷モックセンター


 液晶画面に画期的な変化をもたらしたのが1999年登場の「i-mode」です。いきなり画面にたくさんの文字が表示されるようになります。ただし当時のi-modeの認識はまだ海の物とも山の物ともつかないような感じでしたので、i-modeのアイコンが控えめに表示されているだけで、訴求も無いに等しいです。


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NTTドコモ N502it モックアップ 3色セット 【ネコポス非対応商品】 - 保土ヶ谷モックセンター


 NECでは初めてとなるカラー液晶搭載モデル「N502it」です。この機種はとにかくよく売れました。肌感覚的には今のiPhoneよりも人気があったとさえ思えます。
 そして画面には「コニーちゃん」が描かれてあります。コニーちゃんとはフジテレビの子供向け番組「ポンキッキーズ」の人気キャラクターです。私は「ひらけポンキッキ」世代ですのでポンキッキーズと言われてもいまいちピンとこないのですが、今の若い人たちからすればポンキッキーズですらピンとこない過去の話、かもしれませんので恐縮です。

 このモックのディスプレイに描かれたコニーちゃんは、一見すれば何の変哲もないただのイラストなわけですが、このただのイラストを表示できるというのが当時としてはエポックメイキングなのであります。なんせその2~3年前まで液晶画面に漢字を表示出来るだけで大喜びしていたのです。この短期間になんという画期的な変化を起こしてくれたのだと、携帯屋さんとすれば楽しくて仕方のない、実に良い時代でした。



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NTTドコモ N2002 モックアップ 2色セット - 保土ヶ谷モックセンター


 2000年にコニーちゃんのイラストで驚いていた我々を襲ったのは、2001年に発売されたFOMA「N2002」なのであります。ほんの1年前までイラストで喜んでいたのが、なんとたった1年でボンバーマンのアプリで遊べる時代に突入してしまったのです。これぞ「目まぐるしい進化」であります。
 この当時「ドッグイヤー」という言葉が流行したのを覚えている方はいらっしゃるでしょうか。IT分野の進歩はドッグ(犬)の1年と同じくらい凄まじいスピードであるという意味でした。この変化にほんのちょっと乗り遅れてしまっただけの人は、乗った人とは比べ物にならないくらい差がついてしまい、それが十数年経った今なお尾を引いているという人(いわゆる氷河期世代)も少なくないようで、ある意味で恐ろしい時代でもありました。



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NTTドコモ N505is モックアップ 3色セット 【ネコポス非対応商品】 - 保土ヶ谷モックセンター


 ボンバーマンも遊べるFOMAといえども電波もサービスも不充分な点が少なくなかった為、まだ世の中の趨勢はムーバを中心としていました。ムーバにもカメラ付きモデルが投入されましたし、アプリも搭載されました。メーラーもブラウザもアプリもありますので、既にスマートフォンの原型とも言うべき状態にあったと言えるかもしれません。
 それにしても、時代を感じさせるお姉さんの写真だと思います。


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NTTドコモ N-01F モックアップ 3色セット - 保土ヶ谷モックセンター

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NTTドコモ N-01G モックアップ 3色セット - 保土ヶ谷モックセンター



 ほんの10年前まで日本の携帯電話業界の中心になってリードしていたNECの終わりを告げた、この2機種です。
 改めて言うまでもなく、見ての通り、作り手の愛情が全く伝わってこない無味乾燥なディスプレイです。NECはこの画面で一体何を訴求しているつもりなんだろうか、首を傾げたくなる実に寂しいディスプレイです。

 この2機種ともディスプレイに表示されている日時が12月25日の12時34分です。クリスマスイブの宴を終えた翌日、昼休憩中の気だるさみたいなものを表しているのでしょうか。もう何もかもが終わり、夜景を見てたそがれているとでも言っているのでしょうか。そこはかとない「非リア充」感を感じずにはいられないのです。

 この後NECはガラケーの製造販売から手を引くことを発表するわけですが、中の人達は、その抗いようのない運命みたいなものをモックのディスプレイで表現したのだと、そういうのは私の単なる邪推でしょうか。



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 モックのディスプレイに注意が払われた事など、日本の携帯電話の歴史上でもただの一度も無かったと思いますが、しかしこうやってまじまじと眺めておりますと、色々とあって、時代を映す鏡みたいな存在だと感じ入りました。


 だからなんだと言われればそれまでですが、私はこれからもう少しモックのディスプレイに注意を払い、何か面白いものがないかと考えてみたいと思うようになりました。







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