モックセンター のブログ

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携帯電話が普及するようになって20年ほど経つのに、どうして知識が深まらないままなのか

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 国民生活センター格安SIMに関する注意喚起を行いました。


トラブル急増で国民生活センターが注意喚起、「格安スマホを契約してはいけない人」は一体どんなタイプなのか | BUZZAP!(バザップ!)


 バザップさんの記事によれば、国民生活センターに相談を寄せた人の中で最も多い年代は40歳代なのだそうです。20歳代と比較すると3倍近くにのぼるという事になります。

 相談内容はごくごく初歩的なものが多く、国民生活センターのリリースも、どちらかと言えば消費者の側に「もっとしっかりやれ」と自助努力を促しているかのようであります。


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 さて、私は現在39歳ですが、早生まれですので、誠に残念なことに今年度中に40歳を迎えてしまいます。

したがって、この40歳代の方々とほぼ同年代だと言って良いかと思いますが、この40歳代とは、ちょうど1990年代後半の携帯電話が普及するようになった頃を20歳代として過ごした、いわば携帯電話文化の先頭を切って走ってきた世代なのではないでしょうか。
 それこそ通話しか出来なかった時代から、電話番号の桁数が10桁から11桁に変わるので携帯電話の内蔵メモリーを11桁に自動変換するサービスに長蛇の列をなした時代から、ショートメールから、i-modeから、写メールから、ありとあらゆる技術革新を順を追って学んできた、そういう世代であります。
 知識を一気に習得するのは難しいですが、私達の世代は時間をかけて順を追って学んでいるからこそ、ある意味義務教育課程を受けたかのような基礎的な素養が身についていておかしくないのではないでしょうか。

 歴史を肌で感じてきた世代だからこそ、あまり技術に詳しくない人でも好むと好まざるとを得ず勝手に知識をインプットしてきた筈ではなかったでしょうか。

 それがどうして、こういう初歩的な所で躓いて国民生活センターに苦情を申し入れるようにならなければならないのでしょうか。

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 格安SIMキャリアの肩を持つつもりはありませんが、やはり事業者としては1人でも多くのユーザーを獲得するために、ある程度の甘言を使うことは有るだろうと思います。「安い」とか「カンタン」という言葉を使って耳目を集める事があるだろうと思います。
 そして、消費者としてはその一つ一つのセールストークを鵜呑みにするのではなく、ある程度の知識を備えて、その上で自身で取捨選択をするのが、普通の消費行動だろうと、私は考えます。


 しかしながら、最近は消費者保護が実に幅広く整備された事もあって、消費者がある程度の知識を備えて取捨選択をするプロセスが軽んじられている状況にあろうかと思います。

 そしてその結果、様々な商品の説明書が分厚くなり、様々な契約ごとの説明時間が長くなるという、ある種の弊害が生じるようになりました。


 また、この状況が続けば続くほど、普通の消費者がそのしわ寄せを受ける事にも繋がりかねないのではないでしょうか。
 具体的に今後想定される格安SIM業界の流れとしては、契約に関しての説明が増えて所要時間が伸びてしまったり、説明や苦情に応対する電話窓口の増設を迫られて、それが理由でコストが増えて料金が高くなるという事にもなるかもしれません。そういう負の連鎖が繰り返され、結局MNOもMVNOも料金がさほど変わらなくなるというバッドエンディングもありえない話ではありません。

 それでは困ると、私は考えます。


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 きちんと自己責任といえる範囲の自助努力ができる人はその成果を得られ、そうではない人はその対価を余分に払う、そういう棲み分けが必要なのではないでしょうか。

 具体的な方法としましては、追加料金を払えば比較的繋がりやすいコールセンターに電話をかける権利が与えられるとか、スマホが故障した時に代替え機を借りられるようにする等といった仕組みが必要です。
 私が個人的に契約しているケーブルテレビの会社では別料金を払えば比較的繋がりやすいコールセンターにかけられるコースが用意されており、私自身は特段必要ではないものの、あえて加入してその仕組みを体験してみたりもしました。電話に出る方は皆さんとても説明がお上手で、そして電話が自動音声ガイダンスではなくいきなりオペレーターさんに繋がりますので、なるほどこういう仕組みはアリだなと感じてまいりました。
 スマホが壊れた時の保障についても既にいくつかのキャリアが用意していますので、そういったものに加入せずに後で文句を言うような人については、そこまで深刻に受け止める必要も無いだろうと思います。

 あとは、はなっから玄人専用の格安SIMキャリアがあってもおかしくありません。既に100を超える格安SIMキャリアが有ると言いますので、そういう差別化があっても良いはずです。まかり間違って苦情の電話を入れようものなら「ググレ」と言い返されてしまうようなサディステックな所があっても良いのではないでしょうか。


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 「どうしてこんな詐欺に騙される人がいるんだろう」みたいな話が延々と続いているのもありますので、ごく一部に、少し警戒心が不足している人がいるのは否めません。

 そういった方々に、どうすれば目を覚まして頂けるのか。そういう事を考えることが今の時代に求められているのかもしれませんね。



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