モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

楽天の新規参入、いいじゃないですか

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 仮に楽天の携帯電話事業が大失敗に終わっても、弊社の懐が痛むわけでも、国や地方自治体が多額の血税を払って尻拭いさせられるわけでもありませんので、したがって私はこの件について特に反対する考えはありません。

 むしろ、およそ6000億円とされるインフラ建設費用によって潤う人達が確実に現れますので、それは喜ばしい事であります。
 近年の国内携帯電話業界はMNOキャリア3社以外で景気の良い話をしている人達が皆無に近い状態ですので、どこのどなたがその恩恵に浴せるのか存じませんが、そうやって儲かる人が現れるのは実に素晴らしいものだと感じております。

 
 弊社としましては、ワイモバイルやUQモバイルの隆盛によって多少恩恵を受けているという実感がありますので、あわよくば楽天さんにもその流れに乗っていただいて、いくらかおこぼれに預かれると非常に嬉しいと、目をキラキラさせてサービスインのその日をお待ち申し上げる次第であります。


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 楽天がMNOの経営に乗り出した、その気持ち的なものは、実によくわかります。


 人々が携帯電話の必要性を感じなくなり、手放す日が来るというのはなかなか想像しにくいものです。ですから、そのなかなか想像しにくいその日がくるまでの間、MNOキャリアは毎月毎月決まった額の収入がジャラジャラと口座に振り込まれ続けるわけで、こんなにありがたい商売は日本中探してもなかなかあるものではありません。

 文明社会に欠かすことの出来ない社会インフラの中で言えば、省エネや再エネの影響で売上が先細りになるのが見えている電力や、その電力のオール電化攻勢に晒されている都市ガスLPガスなどと比べて不安要素の少ないのがMNOキャリアの経営です。
 しかも売上は「基本料金」などの固定費用で決まっていますので、冷夏だったら売上が下がる電力や、暖冬だったら売上が下がる都市ガスLPガスと比べても格段に安定しています。


 楽天MVNOの経営を続けていく中でMNOのこういった旨みに気付き、やがてMNOの経営に気持ちが傾いていくのは、いたって自然な事だと言えるのではないでしょうか。


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 楽天のMNO経営を考える上で重要なのは、「どれくらい我慢できるか?」だと、私は考えています。

 楽天は2019年にサービスをスタートさせて、おいおいは1500万回線の獲得を目指していくというロードマップを描いているようですが、そこには当然様々な苦難が待ち構えているでしょうし、不条理な思いに苛まれる事もあると思いますが、それらを乗り越えて、そして契約回線数が当初の目標を下回って赤字経営を余儀なくされる期間を、一体どこまで長く考えられるか。それが重要だと思います。

 
 日本の消費者は保守的だと思います。格安スマホ、格安シムに飛びつかずにMNOを使い続ける消費者の数を見れば、その傾向はハッキリと見て取れます。

 ですから、この保守的な消費者に振り向いてもらうまでの、やせ我慢をどれくらい続けられるでしょうか。イーモバイルと同程度の期間しか持ち堪えられないのだとすれば、結局はイーモバイルの通った道を再び歩むことになるだろうと思います。せめて10年は赤字でも我慢出来るくらいの覚悟が求められます。

 ですが、10年我慢してそれまでに黒字化が成し遂げられさえすれば、そこから先は毎月決まった売上がジャラジャラ口座に振り込まれ続ける幸せな時間がやってきます。たぶんきっと日本の消費者は10年後も何かしらのモバイル端末を必要とし、MNOもしくはMVNOキャリアに毎月決まった額を支払い続けているでしょうから、とにかくそこまで我慢する必要があるのです。



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 インフラは4Gでスタートさせ、5Gへの参入はハッキリとしないというあたり、ツーカーセルラーの影がちらついて見えるのは私だけでしょうか。自社でエリアカバーをしていない地域は他社インフラへのローミングで対応するというあたりも、やはりツーカーセルラー的であります。

 
 楽天は三木谷さんお気に入りのクリムゾンレッドをイメージカラーで統一していますから、イエローのイメージカラーで「シンプルでええやん」などと言い出すことは無いと思いますが、くれぐれもツーカーセルラーのようにならぬよう、お祈り申し上げたいと思います。




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