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『家族に迷惑をかけたくない』というフレーズがテレビ界を席巻しております。
主に中高年をメインターゲットとする保険金融商品や健康食品のテレビコマーシャルで多用されるフレーズであります。
人間の心配事に付け込むというのはマーケティング手法のよくあるものですが、昨今のそれはいささか露骨な感じもしておりまして、私は如何なものだろうかと感じていたりもしております。
さてさて、『家族に迷惑をかけたくない』という気持ちは何も中高年の方に限ったものではありませんで、最近では若い、中学生や高校生くらいの人達の間でもそのように考える割合が少なくないと言います。
年に1回実家に帰るかどうかというような親不孝者の私には全く耳が痛い話ですが、とにかく最近の若い人たちはとても真面目で、親に負担をかけないように色々と考えているという事です。
で、そうであるならば、格安SIM(MVNO)キャリアの中の人の皆様方におかれましては、この点を一つのキーポイントとしてじっくり考えて頂いてはどうか?というのが、今回の私の提案になります。
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格安SIMのシェアが伸び悩んでおります。
手持ちの回線を全て格安SIMに替えてしまった私には全く考えられないのですが、世間では相変わらず格安SIMとは何たるかが浸透しておらず、あまり裕福とは言えない方々でさえも相変わらずMNOに毎月多額のお金をお支払いなさっているのだそうです。
個々人の消費行動はあくまで個々人の判断に基づいて行われるべきなのでありまして、私ごときが人様の判断に口を挟むような事はあってはなりませんが、さはさりながら、格安SIMの伸び悩み状況は非常にもったいないという、もどかしい気持ちがあるもの確かであります。
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だからこそ私は、中学生や高校生の若い人たちが『家族に迷惑をかけたくない』という気持ちを、嫌な言い方になりますけれども、活用するべきなのではないかと考えているのです。
『家族に迷惑をかけたくない』から「家計を少しでも助けたい」という気持ちに繋げ、だからMNOからMVNOキャリアに切り替えていこうじゃないか、という家庭内世論を喚起する役割を、中学生や高校生の若い人たちに担って頂くのであります。
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若い人ほど頭脳が柔軟で新しい情報を取り込むことに長けているというのは世の常でありますし、何より中学生や高校生の若い人たちは毎日のように学校で友達と顔を合わせて世間話をする機会に満ち満ちています。
一昔前まで盛んに言われていた「口コミ」を広げる為の環境や条件がバッチリ揃っているというのが中学生や高校生の若い人たちの最大の特徴であるとも言えるでしょう。
ですからそういった世代の人達に刺さるプロモーションをやるべきである、と私は考えております。
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格安SIM(MVNO)のシェアが伸び悩む原因は色々とあるのでしょうが、まず何より牽引役の不在が痛いのではないかと思います。
そこで、過去の携帯業界の歴史を振り返って、つかさつかさの牽引役が一体誰であったかという事を考えてみますと、やっぱりそれは中学生高校生大学生といった若い人たちなのでありまして、ですからこれはセオリー通り、若い人たちに刺さるプロモーションを考えて下さいという事に尽きると私は思います。
どこかの大企業の子会社が経営しているMVNOみたいな「共創」だの「安心」だのという抽象的で意味のわからない事に血道を上げるのではなくて、より具体的に中高生から家族へ認知度の向上、そして契約獲得へ繋げていくような、そういうプロモーション活動に期待をしていきたいと考えている次第であります。
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