モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

ファーウェイショックが弊社にもたらした影響など

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 今春発売予定で現在各社が販売を取りやめていたファーウェイの新しいスマートフォンについて、auやソフトバンクが販売を開始する事をアナウンスする一方で、ドコモは依然として販売延期を継続する構えを見せ、さらに社長自らこんな発言をして一部で物議を醸したりもしております。


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 わざわざ他社のやることに口を挟むのもいかがかと思いますし、その理由が

澤田社長は2社の動きについて『顧客に迷惑を掛ける可能性が高い。同業者としておかしな取り組みではないか』と批判したということです。


 と、まるで消費者の声を勝手に代弁するかのようで、いまいち批判の要点が掴み取れないものでした。

 あくまで大義名分として顧客への迷惑云々と口にしているものの、本音が別の所にあるのはミエミエではないかと、誰しもがそう感じたのではないでしょうか。


 そしてその本音というのが、あくまで私の邪推に過ぎませんが、「みんなで仲良く損を被ろうと思ってたのに、出し抜かれて悔しい!」とか、それに近い責任回避的な所にあるのではないでしょうか。

 この度のファーウェイショックが経営に与えた影響を投資家向けに説明する時に、ドコモ一社だけ対応が遅れた事で損失を拡大させたとあっては困るが、みんな仲良く損しているならば自分だけに批判が集中するのは避けられるとか、そのような責任回避の意思しか見えて来ないと、私は思うのです。


 それでなくとも近年の携帯キャリア(MNO)3社の横並び傾向は目を覆わんばかりでありますから、このドコモの社長の発言には非常に残念であると申し上げておかなければなりません。



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 携帯大手キャリア(MNO)は各社ともにキャッシュリッチですのでファーウェイショックで数百億円単位の損失を出しても大した問題にはなりませんが、弊社のような吹けば飛ぶような超零細企業にとっては、実に厳しい影響が生じているという事をお伝えしておかなければなりません。


 まずおおまかに弊社の売上構造をご説明しますと、ここ2~3年の弊社は、新商品の発売ラッシュがある2~3ヶ月✕年2回が主だった収穫の時期となっており、それ以外の月はおおむね赤字体質に陥っております。

 それでこの赤字体質の時期をなんとか浮き上がらせようと新商材の展開を始めようとするもうまくいかず、それでは新商品の入荷量をなんとか増やして、収穫の時期の売上で貯金を作って赤字体質の時期をしのげるようにし、実際に思惑通りに入荷量を増やせたものの、今度は新商品のお客様単価が下落してしまい貯金する事が出来ず、それでやむを得ず商品価格の大幅な見直しでお客様単価の回復をはかり、さらに山梨移転によるランニングコスト軽減を行って、なんとか生き永らえているという状況にあります。


 ですから、ここ数ヶ月来の新商品ラッシュの時期というのは弊社の浮沈がかかった大事な時期でありまして、お取引先各位には平素に増してご協力を頂けるよう取り組みを強化し、その甲斐もあって、ドコモ以外の新製品については過去と比べて潤沢な品揃えを実現する事が出来、ひとまず「これで潰れずに済む」という安堵感と、経営安定化の為の資金に出来るという明るい希望に繋がったのですが、それが今度はファーウェイショックの影響でファーウェイの新製品がことごとく売れず、大打撃を受け、こうしてお盆も休まずに働いている現状へと繋がっていったわけなのであります。



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 ここ最近の携帯電話業界には、これといった明るい話題がありません。ユニコーンの「すばらしい日々」の歌詞が頭に浮かんでくるような、そんな近頃を過ごしています。


 そんな中で数少ない希望の光がファーウェイに代表される中国メーカーの台頭だったわけですが、これも一気に冷水を浴びせられ、ほとんどめぼしいカードが無くなってしまいました。


 5Gの商用サービスが始まるとはいっても、政府による安売り規制によって購入できる人の数が大幅に絞られるのは見えていて、それこそFOMAの初期の頃のように、勇猛果敢に人柱を買って出るタイプの人くらいしか手を伸ばさないようになるでしょう。(私は1円で投げ売りされるようになってようやくD2101Vを買いましたが)
 そうするとコンテンツを作って儲けようという人も出てこなくなって、初期のFOMAのようにいくら宇多田ヒカルさんが歌を歌い笛を吹いても誰も踊らない侘しい姿になるんだろうなぁと、薄ぼんやりと考えたりもするわけなのであります。



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 これからの携帯電話業界がどうなるのか。どういう方向性で生き残りを図るべきなのか。

 そういう事を考えて弊社のこれからの戦略を立案していくわけですが、いま私が考えているのは、進化から退化。スマホからガラケーへと向かう、という事です。

 むろん、人々がスマートフォンを手放すようになるとは思えませんが、まだ一定程度残っているガラケー愛好家の方々の動向を注視するべきだと考えておりまして、それで自らニッチフォン4Gを購入してみたり、海外のガラケー市場の動向を見守ってみたりという事をしております。

 そして、かねてから考えていた白ロムの仕入れや販売の強化と並行する形で、海外のガラケーモックを再び輸入し始めて、日本国内にいるクリエーティブな人達の目になるべく触れやすくして、日本のガラケー市場を温める事に寄与していきたい、と考えるに至りました。


 スマホからガラケーへというのは、スマホユーザーにガラケーへの機種変更を促すというよりは、これまで軽視されてきたガラケーの秘めたる成長力や新規参入の可能性などを切り開いていく、その蟻の一穴にならんとする意思、というと少々大げさではありますが、そういう方向性を模索しようと考えているという事であります。



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 ファーウェイを始めとした中国メーカーの著しい成長力には私は一目置いておりまして、素直に尊敬の念を抱いております。
 特に重要インフラでありますから、アメリカ政府が危機感を覚えるのも、ある意味当然ではあろうと思います。

 むしろ、相当低いフェーズでの議論しかしていない日本政府の通信戦略こそどうなのか?と私は思うほどです。


 さはさりながら、中国メーカーの成長が著しいからといってそこだけに期待をするというのは経営的な意味において少々危険だなと今回気付かされたのも事実ですので、勝ち馬に乗っかる事も考えつつ、他方で勝ち馬がコケた場合のこともしっかり考えて行動していきたいと、そのように考えるキッカケにもなりました。


 ひとまず弊社はこれから白ロムと海外のガラケーモックに力を入れたいと思いますので、そのためにも先立つものを、という事で、ぜひ弊社商品のお買い上げを頂けますよう、生々しくお願い申し上げる次第であります。



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