モックセンター のブログ

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農作業は楽しい

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 昨年のちょうど今頃、畑の周辺の人々からのススメで野菜作りを始めました。

 ところが成果は散々なもので、ホームセンターで買ってきた一袋で数十粒とか100粒以上はあるだろう野菜種3種(キャベツ、大根、ニンジン)を植えて、キャベツ3玉、ニンジン3本、大根は1本も取れずじまいという有様でした。


 それで私の反骨心というか闘志のようなものが芽生え始め、土作りから本腰を入れて取り組み、今年の夏頃には、事前に鶏糞やら苦土石灰やら豚糞やらを入念に混ぜ込んで作った土で高植え式の野菜専用スペースまで造成し、そうして出来上がったのが冒頭の写真にある現在の様子、なのであります。


 現在は週に3~4日くらいの頻度で畑仕事に取り組んでいるのですが、野菜は成長するのが早いですから、日々何かしらの変化が楽しめて、非常にやりがいがあります。


 冒頭の写真に写っている私の畑の中では一番奥に緑色の大きな葉っぱが高密度で生い茂っているのがカボチャであります。

 これは戴き物のカボチャを食べる時に種だけ退けて水洗いしてクッキングペーパーに乗せて乾燥させるつもりで室内に置いておいたのが数日で芽を出してしまい、慌てて育苗ポットに植え、そこそこ大きく育ってから畑に移植して現在に至るものです。
 植えてから1ヶ月も経っていないはずですが、既にお花が咲き始めています。あとどれくらい経つとカボチャの実が成るだろうかと、日々覗き込んでいます。

 私は若い頃はケーキ屋に勤めておりましたので、甘いものが好きで、カボチャのスイーツを自分で考案して作ってみるのも良いかもしれない、などと妄想をたくましくしたりもしている所です。


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 私の畑がある山梨県甲州市の塩山のあたりは耕作放棄地も少なくありませんが、それが最近就農を目指す比較的若い人がポツポツと現れるようになって、つい先日も若い女性二人組が畑仕事中の私の所へやってきて、すぐ目の前にある耕作放棄地の地主さんや、借りられそうかどうかといった若干の情報収集にお付き合いさせて頂きました。

 少し離れた場所にあった少し目立っていた耕作放棄地も最近借り手がついたらしくぶどうの樹が丁寧に植えられていく様子が見られました。


 私のような40歳台や、それより少し上の年代の人達にとって農業とはあんまり明るく楽しい職業というイメージが無く、「長男が先祖代々の畑を渋々引き継いでいく」といった雰囲気が色濃いのですが、私よりも若い年代の人々にはそこまで暗い雰囲気は強くないと感じられ、なかなかポジティブで今後に向けた良い手応えみたいなものがありそうです。


 若い人たちがどういった経緯で、どういった思惑で就農を目指すのかわかりませんが、しっかりと地に足のついた良い試みではないかと、とても好意的に受け止めています。


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 以前、実家が桃農家だという人に桃農家の現状を聞いた事があります。

 いわく、とても単価が安くて生計を支えられない。以前の儲かった時期の蓄えがある高齢の農家なら細々と続けていけるが、現役世代にはとても続けられない、との事でした。


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 別の桃農家さんから採れたての桃をたくさん頂きました。この分量を私一人にドンとプレゼントして下さるんですから太っ腹にも程があります。


 それで早速その日の晩からありがたく頂戴してみました。


 まずは皮を剥き、食べやすい大きさに切り、種を取り、それでようやく私の口に入ります。


 ものすごく甘くて美味しいです。単なる甘みではなく、桃の風味とちょうどよく絡み合った透き通るような甘みです。甘い食べ物は色々ありますが、この透き通った風味は生の果物でしか得られません。

 感動的な美味しさです。こんな素晴らしいものを作っているのに、単価が安くて生計を支えられないというのはあんまりです。


 さはさりながら、口に入るまでの手間が相当なものである、という現実も横たわります。


 一般的なご家庭が食後のデザートとしてこの桃を出すというシチュエーションを考えてみました。

 共働きのご家庭で、午後6時に仕事を終えて、保育園に6時半に子供を迎えに行き、その足で近所のスーパーマーケットで買い物をして、夜7時半からお腹を空かせた子供のために大急ぎで晩御飯の支度をして、その後のデザートとしてこの桃を子供に食べさせてあげようにも、もはやそんな体力は残されていない。

 そういうご家庭が相当数に及ぶのではないでしょうか。


 子供の喜ぶ顔が見たい。見たいけれども、桃の皮を剥いたり種をとったりするだけの体力が平日の夜8時にあるかと言いますと、それも相当厳しいように感じます。

 そういった塩梅で小さい子供が果物を口にする機会を失えば、「三つ子の魂百まで」ですから、大人になっても果物を口にする習慣が根付かないまま、やがて日本人全体の果物離れへと向かっていくのではないでしょうか。



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 私は川崎市南部の半分工業地帯半分住宅地という地域で育って、都市部で働き、こうして40歳を過ぎて田舎暮らしをしております。

 地方に住まう人達は都会の人達が日頃どういうスケジュールで過ごしているのか肌感覚が掴めないので、大消費地である都市部の人々の暮らし向きに合った商品提供が出来ずにいて、それが巡り巡って、美味しい桃を作っても安くしか売れずに離農に繋がる、という悪循環になっています。


 この悪循環を改善するためには、先述したような都市部の人々の暮らし向きを肌感覚で理解する若い人たちが都会から地方へ来て就農し、都市部に喜ばれる商品を作ってくれるようになるのが望ましいのではないか、そんな風に思いました。


 であるからこそ、最近ポツポツ現れ始めた若い就農者を喜ばしく思い、私も微力ながら農作業の楽しさを文字に表して世間の人々にお伝えしたいと考えるに至りました。


 実は既に新しく始めた事などもありますので、これからも少しづつお知らせしていければ、と考えております。



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