モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

煽り報道について考えました。

.


 新型コロナウイルスのワクチンを巡って、いささか不安を煽り過ぎるような報道が目立つ、という意見が広がりを見せています。


www.buzzfeed.com



 私は普段、仕事をしながらこの手の槍玉に挙がりやすいテレビ朝日のモーニングショーやTBSのひるおびなどを流し見ているのですが、確かに言われてみれば、かなりの頻度で「副反応」や「副作用」という言葉が飛び交っており、不安を煽り過ぎると批判されても致し方ない状況にあるように思われます。


 例えば1月25日放送のひるおび(午後の部)では元水泳選手のコメンテーターが、「ワクチンは副作用が心配だから」と強調して及び腰の姿勢を示し、さらに菅首相が先頭に立ってワクチン接種を受けて国民に範を示すべきであるという趣旨の発言をされているのを見て、私としては、個人の考えが自由であるのを踏まえても、それをテレビで何百万人に開帳する事の影響を、もっと慎重に考えるべきだと思いました。


 なお、この元水泳選手のコメントに関連して申し上げますと、その数日前にツイッターで少しバズっていたツイートでこのようなものがありました。

 
 西側社会において最上級のVIPの方達がこのように既に接種を済まされている現状に鑑みれば、わざわざ日本人向けにもう1回偉い人を人柱にしたデモンストレーションを行う必要がそもそも必要なのか?という所も考えていかなければなりませんし、テレビ局もテレビ局で、不安な声を取り上げるのであれば、その不安を和らげる材料もセットで取り上げなければ、メディアとしての責任を果たせていないのでは?という風にも、私は感じている所であります。


 私個人としては、順番が来れば躊躇なく受ける考えでおります。

 もとより私は持病持ちで、それもあってか、毎年のインフルエンザの予防接種に加え、過去10年に限っても麻疹と破傷風と肝炎のワクチン接種を受けていますし、子宮頸がんワクチンについてもコロナ禍の収まりを見つつ受けてみたいと考えているくらいワクチン積極派なのであります。


 ワクチン反対派の人々が度々口にする「不安」という感情は生きていく上である程度は必要不可欠ではあるものの、しかし度が過ぎれば自らの健康や人生に重大な悪影響を及ぼす有害物質となるのも事実なのでありまして、個人個人がその不安な感情の度が過ぎないように落ち着いた行動を取り、ワクチンの副反応よりはるかにスケールの大きな災厄を招かないように心がけていきたいものだと思います。



www.buzzfeed.com



                  ■



 煽り報道と言えば、昨年の菅義偉政権誕生以来烈火のごとく繰り返された「携帯料金安くしろ」政策と、それを激烈に後押しする煽り報道について言及しないわけにはまいりません。


www.itmedia.co.jp


 安倍政権時代に推進されたMVNOの普及拡大が、菅政権によって事実上ちゃぶ台返しをされた事によって、早くもその影響が見え始めています。


 今回はその政策の中身についてではなく、主にテレビのワイドショーがこれをどのように伝えたのか?について、ここでもやはり私の定点観測の場所はテレビ朝日のモーニングショーとTBSのひるおびになってしまうわけですが、とにかく国民全体が100%この政策を支持していて、国民全体がメリットを享受出来るとほとんど断言しきっている内容で、この政策を全面的にバックアップしていたように思われました。

 あえて言えばテレビ朝日のモーニングショーでテレビ朝日社員の玉川徹さんが、政府が強制的に値下げを強いるやり方には違和感があるという趣旨で釘を差した事があった位で、反対側の意見が取り上げられた事は全く、ただの一度もありませんでした。


 放送内容について触れますと、この政策の初期の頃の報道ではサブブランドやMVNOなどというものは一切存在せず、携帯キャリアはドコモauソフトバンク楽天を加えた4社しか無いという説明で終始し、何週間か経つとサブブランドやMVNOの存在もあるにはあるものの「サービスや品質が劣る」と、何が劣るのかは説明せずに、単なる粗末なワケアリ品であるという風に片付けられておりまして、ワイモバイルやUQモバイルが毎年何百億もかけてテレビコマーシャルを打っているのに、そのコマーシャルを流しているテレビ局にすらコケにされる、なかなか物哀しい扱い方で、だから大手3社の値下げが必要なのだという論調が展開され続けたのでありました。


 全く、知識のない消費者にいたずらに不安を煽る、ワクチンのそれと同じかそれ以上に重いものがあったと指摘しないわけにはまいりません。


 そもそも、MNOと同じ回線品質を誇るワイモバイルやUQモバイルを、回線の混雑状況でスピードダウンがあるMVNOとを十把一絡げに扱うのは全く雑で正確性に欠ける放送ですし、MVNOの混雑云々にしても影響するのはせいぜい都心で働くごく一部、多くても全国民の2割に届くかどうかでしかないわけでして、あえてわざわざ品質が劣ると殊更に強調しなければならないような事柄なのかも、大いに疑問があるのではないでしょうか。

 また、多くの番組で繰り返されていた「スマホユーザーの大多数は10ギガ未満しか使わない」と、その程度の利用頻度のユーザーにMNOの回線品質を押し付けて、MVNOを市場から追い出すように仕向けるという番組の論調も、いささか矛盾に満ちていると言わざるを得ません。


 車で例えれば軽自動車で充分な人がレクサスやベンツに何百万も余分にお金をかけて乗っているというのが我が国のスマホユーザーの実情で、ではだからレクサスやベンツの値段を軽自動車並みに下げろと無茶振りをするようなものであるという冷静な振り返りが番組内にあっても良い筈だったのではと、今更ながら私が悔しく感じている所なのであります。



                   ■



 自殺に関するテレビ報道の内容いかんによって、影響を受けて自殺をする人が増えてしまう。そのような事がかなり以前から主に欧米各国で慎重な議論が重ねられていて、報道内容にも適宜反映されてきたようであります。

 それが我が国でも昨年くらいから遅ればせながら少しづつ意識されるようになってきて、著名な方が自ら命を落とされる事例があった暁には、一連の報道の後にセットで相談ダイヤルの電話番号が紹介されるようになりつつあります。


 その相談ダイヤルが逼迫していてなかなか電話が繋がらないといった片手落ちな問題や、まだまだ自殺を助長しかねない危うい報道も少なくないといった所で、日本のテレビ局がなかなか煽ることを止められないでいる現状も垣間見えております。


 自動車の煽り運転も、世論がこれだけ沸き立っても相変わらず止められずに煽り運転をするドライバーが後をたたない現状などもありまして、世の中に蔓延る様々な「煽り」をどのようにすれば穏やかに、あるべき姿に落着させる事ができるのか、なかなか難しいものがあると、私自身の日々の行動も含めて、今後も色々考えてみたい所であります。




.