わたくしどもで販売させていただいている携帯電話・スマートフォンモックアップのほとんどは関東甲信地方の携帯ショップから供給を受けています。お付き合いさせて頂いている携帯ショップは100軒前後にのぼります。
そういった関係上、日頃から多くの携帯ショップ様の近況を知る立場にあるわけですが、昨秋から今年にかけて閉店してしまう携帯ショップの数が増えてきている印象があります。
それも、例年であれば閉店の時期として避けられる傾向が強かった秋冬や春商戦のような比較的売れる時期でさえも、閉店の判断をされる所が出てきています。弊社とお取引させていただいていた携帯ショップの中でも、先月いっぱいという所が何軒もあります。
また、これまでの傾向としては、家電量販店と商圏がかぶってしまう大都市中心部の閉店が多かったのですが、最近では特に目立った家電量販店が無い郊外型の携帯ショップでも閉店に追い込まれるケースが相次いでいます。
わたくしどもとしましては、単純にモックを供給してくださる携帯ショップが減ってしまうという危機感もありますが、それ以上に、これまで携帯電話業界で尽力してこられた方々が全く違う分野に行かざるを得なくなる状況や、市場そのものが縮小してしまう状況など、様々な理由により、大変心苦しく思っている所です。
では、もうこのまま閉店する携帯ショップが相次ぐ状況には打つ手が残されていないのでしょうか。
最近では大手キャリアの販売代理店業と並行して、iPhoneの修理を行う携帯ショップや、MVNO、いわゆる格安スマホの販売代理店業を行う携帯ショップも出てきているようです。ただ、まだまだ売上の中核になるほどの数字には結びついていないように見受けられます。
ある程度内情を知る立場としては、大手キャリアの販売代理店業は売れさえすれば比較的利幅が大きく取れるため、どうしてもそこだけに目を奪われ過ぎてしまった感が否めません。それと比べればMVNOの販売手数料は非常に低額ですから、大手キャリアの売上と肩を並べるのは難しいはずです。
この業界ではかれこれ15年くらいに渡って「いずれ家電量販とキャリアショップに集約される」と言われながらも、なんだかんだこれまで続けてこられた経緯があります。
ですから、いま苦しい中でも踏ん張って続けておられる携帯ショップの皆様方に、続けてきてよかったと思えるような瞬間が再び訪れるであろうと、私はそのように考え、期待しております。
携帯電話の利用者数そのものは今でも微増傾向ですから、携帯ショップの役割もまだまだ残されている筈なのですよね。だからこそ、携帯ショップの特性にあった、中核たりうる新たな商材が出現する事を願って止みません。