モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

売れないモック

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 携帯電話のモックを販売するようになって8年近くが経ちました。これまでの間、実に多くの方から「こんなものを誰が買うのか?」と疑問に思われ、問いかけてこられましたし、弊社のメインバンクの営業さんが人事異動で新しい方にバトンタッチされる時も、最初の挨拶の中で決まり文句のように「本当は隠れて別の仕事をしているのでは?」のような疑問をほのめかしてこられます。それが「こんなものが売れるはずもないから」という理由から来る推測なのは言われなくても充分伝わってまいります。
 あまりにも長いこと言われ続けてきたものですから、もうすっかり慣れっこになりました。私も他人様の事ばかり言えないとは思いますが、人間は自分の想像できる範囲内で物事を結論づけようとしてしまうものだと、何度も実感いたしました。


 それはさておき、ではどのようなモックが売れて、どのようなモックが売れないのか、そういう事を書いてみたいという気分になりました。特に、「どうせ売れないだろう」という人達の期待に応えるような、本当に売れないモックについて書いてみたくなりました。



hodogaya-mock.ocnk.net

 弊社がこれまで扱ってきた商品の中で、特にこれは売れないと逆の意味でお墨付きを与えたいのが、この据え置きルーター型のモックです。一度として売れたことがなく、私自身もどういった方面なら需要があるだろうかと想像を巡らせる事すらできません。

 

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 ウィルコムのイエデンワのモックも当初は本当に売れませんでした。そもそもこのモックを配布されている店舗がごく一部に限られており、相当なレア物なのですけれども、いくらレアだからと言っても需要などそうそう出てくるものでもありません。
 ただ、後に発売された「イエデンワ2」のモックと合わせて、ある時急に風が吹いて、そして数少ない在庫が一気に完売となっていきました。それはそれは非常に嬉しいものですから当時のことはよく覚えているのですが、そのうち一件は、なんと「本物のイエデンワだと思った」とおっしゃる個人のお客様でして、あまり良い結末とは言い難い、そんなこんなでありました。



hodogaya-mock.ocnk.net

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 ドコモという会社は割とどんな商品でもモックの供給を行う丁寧なキャリアであります。その丁寧な社風が出ているのがこの商品でして、「たぶん売れないだろうなぁ」と内心思いながらも商品登録を行いました所、これまでで通算4個づつくらい売れました。勝手な判断で諦めずに、とりあえずなんでも出してみるものだと感心いたしました。


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 かなりマニアックな商品では、こちらなどはいかがでしょうか。なんとこの製品、発売されず「お蔵入り」してしまったのです。キャリアもメーカーもたくさん売るつもりでモックばっかりたくさん製造してその日に備えたものの、様々なトラブルが繰り返されて、結局しばらくして別名の「BF-01D」という商品として発売されたため、モックも改めて作り直しになりました。ゆえにこのモックも一度も日の目を見ずにお蔵入りになりました。
 お蔵入りした商品のモックという事で需要はごくごく一部に限られ、たぶん累計でも3個くらいしか売れなかったのでは?と記憶しております。


hodogaya-mock.ocnk.net

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 最近入ってきたモックの中で、たぶん売れないだろうと予想しているのがこの2品です。だいたい据え置きルーター型のモックというのは重量調節用のおもりすら入れない、ガワだけのみるからにチープなものが少なくないのですが、この2品は相当な力の入れようで、最初に手に取った時は「本物では?」と取引先に確認してしまったほどの逸品です。
 ですが、いくら作り込まれた逸品であっても、たぶん売れないだろうなと思います。QuaStationなんて本物ですらいらな…



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 「売れない」と聞くと条件反射的に思い出してしまうのがツーカーセルラーなのですが、これが案外需要があって驚かされています。


ツーカーセルラー - 保土ヶ谷モックセンター (Page 1)


 私が携帯屋さんの店員としてお客様と接していた頃に、お客様自らの意志で「ツーカーが欲しい」と言われた経験など、トバシ(※)のおじさんくらいしか経験が無いことですので、いまはモック屋という立場ではあるものの、お客様の自由意志でツーカーの商品を購入していただけるというのが、何やら不思議な感覚がしてまいります。1980年代にプロ野球のロッテファンだった人に出会うような、なんとも言葉で表現するのが難しい、とにかく不思議な感覚なのです。


※ 偽造した本人確認書類で大量の携帯電話を契約し、料金未払いで強制解約されるまでの間に使いたい放題にする犯罪行為。多い時は毎日何人ものトバシの人が来店されましたが、当時は警察が取締にあまり積極的ではなかった事もあって、キャリアが自ら対策を強化するなどして対処していました。




 逆の言い方をしますと、だいたいの商品には大なり小なり需要がありまして、それが私が品揃え増強に血道を上げる原動力になっている、という事でもあります。



 売れる商品だけ扱って楽をしようとすれば出来ないこともないのですが、それでは仕事として面白みに欠けますし、携帯電話という文化が持つ幅広さを殺してしまう事にも繋がりかねないと思いますので、例え売れなかろうと、これからもせっせと品ぞろえを増やす努力を続けていこうと、そのように考えているところであります。




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