モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

DDIセルラーですよ!

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 西日本の某所にて過去に携帯ショップを営んでおられた企業様より、DDIセルラーモックアップを多数供給して頂きました。

 最近の携帯電話業界は各キャリアが最新商品の販売を開始している関係で新しいスマートフォンの話題が目白押しですが、私にとってはこのような、物によっては今から20年以上も前の携帯電話を眺めている方が楽しかったりするものですから、非常に興奮しております。



 こういった昔の商品は狙って入荷できるものではありません。この仕事を長く続けてきたおかげで認知度が上がり、どこからか弊社の存在を聞きつけた企業様から、だいたい1年から2年に1回くらいのペースでご連絡をいただく、そのような感じで、コツコツと収集、商品ラインナップの拡充に繋げてきました。
 こういった古いモックアップももうちょっと計算づくで供給出来るようになれば良いのですが、そうは問屋がおろさないという事です。



 さて、DDIセルラーです。


 DDIセルラーと聞いてピンと来る方は、一体どれくらいおられるでしょうか。少なくとも30歳以上の方に限られるのではないでしょうか。ましてや、関東と東海エリアにお住まいの方には全く馴染みのない名前になるかと思います。


 そこで簡単にご説明申し上げますと、現在のauのうち、関東と東海以外の地域で2000年頃まで営業していた携帯キャリアがDDIセルラーです。


 そして、関東と東海エリアで営業していたIDO日本移動通信)とDDIセルラーが2000年に事業統合して登場したブランドがauです。
 また、auを運営しているKDDIという会社の名前の由来も、KDD(国際電電)と「DDI」と「IDO」の3社が経営統合して出来た会社だから「KDDI」というわけですね。


 今でこそ携帯キャリア(MNO)が全国を網羅するのが当たり前の時代になっていますが、かつては政府の通信業に関する政策により、人口が多い東名阪だけ4社に使用できる周波数帯を付与し、それ以外の地域は3社のみに周波数帯が付与されていました。
 それで、NTTドコモのみ全国に展開し、現au勢(IDO、DDI、ツーカーセルラーツーカーホン関西)と現ソフトバンク勢(デジタルホングループとデジタルツーカー)という主要3グループでそれぞれしのぎを削っておりました。
 ドコモだけが全国で営業する事が許され、他2グループはこれを書いている私でさえややこしく感じるような、非常にわかりにくい営業形態を取っておりましたので、それが集客力にも大きく影響して、今日までドコモの市場シェアに色濃く反映され続けていると言えるでしょう。


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 私は元々神奈川県で育ち、成人してからも大多数の歳月を東京と神奈川で過ごしておりますが、2000年から2001年にかけてだけ、当時勤務していた携帯電話販売代理店の仕事の都合で九州の宮崎県に住んでおりました。
 ですからそこでこのDDIセルラーとの接点を持ったのですが、九州に赴任したばかりの頃は、まだ私にとってセルラーとはツーカーセルラーの印象のほうが遥かに強かったものですから、慣れるまでに少し時間を要しました。


 恐らく他の道府県でも似たり寄ったりだと思いますが、現地ではDDIセルラーなどとフルネームで呼ばれることはなく、もっぱら「セルラー」と略して呼ぶ人ばかりだったものですから、それで余計に慣れるのに手こずったのです。


 携帯屋さんとして働いていた私にとっても、色々と混乱することがありました。


 第二世代式(PDC)の携帯電話に変わって以降、基本的にはDDIセルラーIDOは同じPDC方式で同じ周波数帯を使っていたのですが、端末のバリエーションには違いが多く見られました。
 IDOPDC方式の端末が「IDO(日本移動通信) デジタルミニモ 537G モックアップ - 保土ヶ谷モックセンター」などと呼ぶのに対し、DDIは「DDIセルラー HD-60K モックアップ - 保土ヶ谷モックセンター」という名称ですから、特に機種変更の受付をする時に手こずりました。


 私の記憶が確かなら、当時のDDIセルラーには第一世代(TACS)と第二世代(PDC)を両方搭載した端末がありまして、この端末の機種変更の手続きを行った時は相当混乱したものでした。旧世代から新世代に移行するためにはそれぞれの料金プランを知る必要があったり、他にも手続き面で新たな知識を多数習得しなければならなかったのです。


 お恥ずかしながら、私はそれまでの人生において、あまり「勉強」というものに真正面から取り組んできた経験が無かったものですから、この期に及んで初めて本気で勉強をした、そのような記憶も残っているほどでした。



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 携帯電話の使い方やサービス、料金体系がわかりにくいと指摘され続けて久しいわけですが、このような経験をしてきた私からしてみれば、現在のサービスや料金体系など、わかりやす過ぎるくらいだと考えております。


 携帯電話のユーザーインターフェースAndroidIOSも基本はほとんど変わりませんから初めて手に取った端末でも説明書を読むこと無く使い始められますし、機種変更はSIMカードを差し替えるだけで済みますし、料金プランも月のデータ量と通話量を組み合わせるだけでOKなのです。こんなに簡単になったのに、どうして、かつてあの複雑怪奇なPDC端末を使いこなしてきた中高年の方々がいまさらスマートフォンを「わかりにくい」と戸惑い始めるのか、よくわからないと率直に思っております。


 DDIセルラーの話と直接関係無い話に脱線してしまいましたので元に戻りますが、DDIセルラーの端末を見ていると、かつての悪戦苦闘した日々が思い起こされて、懐かしい気分に浸れます。

 
 またこんな形で昔の思い出に浸れるように、もっともっと古い携帯電話モックアップの開拓に取り組んでまいりたいと思います。








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