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社会人として生きていると、人様に対して自分の職業を説明しなければならない状況が少なからず生じます。
「○○さんってどういう仕事をされてるんですか?」というアレ、です。
会社勤めをしている方がそういった状況になった場合、「会社員です」とだけしか答えないと場が白けてしまったり、多少苛立ち気味な質問者からどのような仕事なのかもっと具体的な説明を求められる事が多いと思います。
ですからそこはやはり、抽象的ではなく、より具体的にイメージをしやすい説明をするのが社会人の嗜みだと、社会人経験を20年経た私が感じている事です。
また、私の場合も立場は会社員と企業経営者の違いが有るとはいえ、どのような事業を行っているのか説明しなければならない空気になる事が、少なくありません。
ですからそういう時はなるべく細かく「携帯電話のサンプル品を販売しています」と答えるわけですが、そうすると大体の場合微妙な空気感が垂れ込めてきて、「え、そんなもの誰が買うんですか?」とさえ突っ込まれる事もあって、その都度私はテンションを下げ、そして「貴方が聞いてきたのにその微妙なリアクションは何?」と、キレそうになる、そんなやり取りを過去10年くらいに渡って続けてまいりました。
ちなみに、テレビのバラエティ番組などで企業経営者を説明する際によく言われる「年商ウン億円!」みたいな答えを期待されがちなのが会社員と経営者の違いでして、そういう空気感を感じ取った時は、より一層正直な数字を答えるように心掛けております。
そうすると、だいたい誰か空気に敏感な人がすぐさま別の話題を振ってくれて、私の会社の年商がどうとかという実に野暮な話題が無かった事にされる、という風に流れていきます。
とまぁこういう塩梅に、万人に理解されやすい職業の人にはなかなか共感してもらえないと思いますが、弊社のようなニッチな事業を営んでいる人間にとっては、「仕事を聞かれる→憂鬱な気持ちになる」みたいなサイクルが起こりがちで、つまりそれはナチュラルに存在意義を否定されるような、そういう事がちょっとした悩みの一つになっている、のかもしれません。
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モック屋さんという他に類を見ない事業を営んでおりますと、時々自分自身の存在意義と言いましょうか、存在価値があるのか?的な心配に苛まれる事があります。
そういう私を癒やしてくれるのが、リピートしてくださるお客様の存在です。
初めて弊社にご注文いただけるお客様もリピートしていただけるお客様も等しく接し、等しく感謝の気持ちを持っているというのはもちろん当然の事なのですが、リピートして頂けるお客様というのは、前回のご注文について、そして弊社の仕事ぶりについて、一定程度の評価をして下さり、また新たに必要として下さった証としてリピートの注文をして下さっていると私は深読みしております。
そしてその深読みを経て、ジンワリと喜びを覚えております。
私はそれほど世の中のムードに流されやすい性分ではなく、だからとりたててタピオカドリンク屋さんを開業しようと思ったりもしないわけですが、そんな私でもお客様の評価というのは非常に気になっておりまして、ですから、リピートして頂ける喜びが大きく、それを励みに日々頑張ろうと奮い立っているのであります。
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リピートして頂けるのが嬉しい半面、忘れられると、それは実に寂しい事だなと、しんみり致しております。
かつて弊社のネットショップをコンスタントにご利用頂いていたお客様が、そこからぷつりとご無沙汰になり、やがて1年とか2年くらい経ってヤフオクやメルカリで購入して頂ける、という状況に接する事が、たまにあります。
そうすると私は、もしかしたら忘れられてしまったんじゃないだろうかと、うじうじと心配の虫が騒ぎ出したりするわけです。
そして、忘れられないようにする為にはどうしたら良いか。考えを巡らせているのです。
ネット通販を営んでいる企業の中には、なんだかんだ理由をつけてご無沙汰なお客様に宣伝メールを送り付けてリピートを促したりするような所もあるようですが、私はご注文の際に頂戴した個人情報の利用を徹底的に厳しく捉え、堅苦しい程に利用範囲を狭める事が、ひいては個人情報流用の懸念を招かない為に重要だと考えておりますので、ご注文情報を元にした広告宣伝の類はEメールであっても郵便物としてのダイレクトメールであっても、一切行っておりません。
忘れられてしまうのはとても寂しい事ですが、かといってお客様に個人情報流用の懸念を抱かせるような広告宣伝の類は絶対に手を出すまいと誓い、そうではない方法を色々と考えております。
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最近はスマホカバー等を製造販売されている企業様向けの需要が目に見えて落ち込んでいる一方で、インテリア関連やビジネスショー関連の展示物としてご活用頂けるケースが少しづつ増えてきており、とても嬉しく感じております。
モックの需要そのものが爆発的に伸びるという風にはなかなか考えられませんけれども、そこは私なりに考えて需要の掘り起こしに努めていきたいと、そのように考えている次第でございます。
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