モックセンター のブログ

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高卒で生きる道

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 新型コロナによる経済苦で通学中の大学を辞めようかと検討している大学生がおよそ20%にのぼると聞き、胸を痛めております。


 だいたいの大学生の方は、まずは高校受験で苦しみ、大学受験でも苦しみ抜いた上で、現在の大学生生活を手に入れた事と思います。

 それがこうやって本人の預かり知らぬ事情で二度の苦しみの末に手に入れた成果をフイにせざるを得ないわけですから、我々大人世代は若い大学生たちを守れない不甲斐なさを悔い、そして苦しみを十二分に配慮し、彼ら彼女らがより良い人生を送って貰うために尽力しなければならない、と、大人世代の一人として考えます。


 新型コロナそのものの今後の動向もわかりませんし、大学生の皆様方に対する国の支援の具体的な道筋も見えていない中で拙速に結論を焦る事が無いように申し上げつつ、その上で私なりの考えを述べてまいりたいと思います。



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 現在一般的な大学に通われている大学生のうち、約半数が奨学金を借りておられるとの事です。


www.jili.or.jp



 奨学金のうち金額のウエートが一番大きいのが恐らく入学時に学校に納める費用の類でしょう。

 人にもよるでしょうが、この春に入学したばかりの1年生で、自粛要請でほとんど授業も受けられていないのに借金だけは100万や200万にのぼっている事例も少なくないのではないでしょうか。


 また、この度の新型コロナの影響で経済苦に陥り、当初の予定よりも多くの奨学金を借りなければ卒業出来そうにないという学生さんもいらっしゃるのではないでしょうか。


 そして、これらの苦難をなんとかかんとか乗り越えて卒業にこぎつけられたとして、では卒業後に、当初思い描いていたような収入を得て計画通りに奨学金の返済を進められるかどうかも、この度の新型コロナによる景気悪化により見通しが厳しくなっていく。そういった懸念もあるのではないでしょうか。



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 私自身の最終学歴は高卒であります。


 在学時の入試の偏差値が30台という、お金さえ積めばたいていの人が入学できる私立の工業高校の機械科を1996年に卒業して以降、学校と呼ばれるものに所属した経験はありません。

 
 絵に描いたような低学歴ぶりであります。


 そんな私からしますと、やはり学歴は有るに越したことはありません。


 大卒の方が就職にも転職にも有利です。応募資格が大卒なので高卒の私ごときは履歴書を郵送する事さえ許されない会社も、かなり多いのが実情です。


 しかしながら、世の中の景気が極めて悪い状況下において、果たして数百万円を投じて大卒資格を得る行為にそこまで合理性があるのかと言いますと、それも定かではありません。


 私は世にいう氷河期世代のど真ん中におりましたので、高卒の私より就職や転職で苦労している大卒の同世代はゴマンとおります。


 景気が悪い時は、そこそこ名の知れた偏差値の高い大学をストレートで卒業した立派な方がまともな就職口にありつけず、渋々入社したブラック企業で心身を消耗させたり、正規雇用にありつけずに派遣や期間工として社会人生活をスタートさせ、奨学金の返済も覚束ない日々を送っている人の事例など枚挙に暇がありません。


 私自身の経験としましても、サラリーマン時代に後輩として東大現役卒の人が入社してきた事や、フルタイムのアルバイト募集に応募してきた慶応大学卒業生など、明らかにコスパに合わない進路を歩んでいる人を何人も見てまいりました。


 要するに今は平時ではなく経済危機の緊急事態の真っ只中におりますので、本当に数百万を追加出費してまで大学卒業を目指すタイミングなのか?を問い直さなければならない状況なのではないか?と、申し上げたいと思います。



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 数百万の借金をして大学を出ても、自分なら給料の良い会社や役所に就職して無理のない返済が出来るという自信のある学生さんは、そのまま少々無理をしてでも学生生活を続けて、卒業を勝ち取って貰えればと思います。


 他方で、冷静になって考えて、親御さんを連帯保証人にしてまでこれ以上借金を増やしても、本当に返せるか自信が持てないという人は、一旦休学なりをして、一度そのレールから降りてみる事を検討してみてはいかがでしょうか。

 そして、高卒でも中長期的に見てそれなりに稼げそうな進路を見出して、そうやって無理なく生きていく事を考えても良いのではないでしょうか。


 高卒が就く仕事というとどうしても現業系やサービス業ばかり目が行きがちですが、必ずしもそうではありません。


 私が個人的にオススメしたいのは、外国との貿易に繋がるような職業です。


 だいたい経済のふるわない国で稼げる仕事といえば外国や外国人と物の売り買いをする商売で、幕末から現代に至るまで外国人の多い地域にはそれなりに稼げる仕事があって、貿易が核になるというのが相場だからです。


 例えば中古車屋さんあたりはどうでしょうか。

 私は今年の1月に壊れて動かなくなった車を中東系の外国人の方が営む中古車屋さんに買い取ってもらったのですが、日本人の中古車屋さんではまず出してもらえないような金額で買い取ってもらえました。いわく、日本車は外国で人気だから、不動車でも部品取り用途でそれなりに引き合いが有るというのです。

 今後の目覚ましい経済発展が期待される東南アジアでは、かつての中国がそうであったように、個人で持つ乗り物が自転車→バイク→自動車(中古)の順でステップアップしていく事が予想されます。
 
 日本にある中古車屋さんの多くは依然として日本国内で売買することを念頭に置いたご商売をされていますが、まずはそういった会社に入って経験を積み、そのままその会社で貿易事業を立ち上げても良し、経験を生かして起業するも良し。そういう人生を模索するのも良いのではないでしょうか。


 その他、これから経済発展する国では自動車や携帯電話や建築土木などの社会インフラの需要が飛躍的に伸びることが予想されますから、そういった分野で高卒でも働ける会社に入って経験を積みステップアップを目指してはどうでしょうか。


 言葉の問題も、今日の自動翻訳技術の飛躍的な向上を見れば、さほど心配する必要は無いんじゃないかと私は考えます。


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 大学の本質は就職予備校ではなく、高度な専門教育を通じて様々な人間力を高める場所であろうと思います。


 私は今の所最終学歴工業高校のままでおりますが、経済的に豊かになって大学に通いたいという意欲を持っています。

 大学で日本の近現代史をしっかり学びたいと考えています。


 そこに短期的にビジネスに繋げようという目論見は全く無く、ただ自分自身の知的好奇心に基づいて本を読んだりドキュメンタリーを見たりしつつも、これでは全く物足らないと思っているからでして、よって大学に通うことで大卒資格を得られるかどうかに拘りは無く、聴講生とか社会人教育のようなカリキュラムで中に入っていく形でも良いと考えています。


 大学で学ぶ事は大変意義深いであろうと、高卒の私も重々理解しているのです。


 しかしながら、20歳前後でまだまだ将来が見通せないような段階で、果たしてそこが大きなリスクを取って目指す道なのだろうかと、冷静に考えてみる必要があるように思います。


 20歳前後で数百万の借金はあまりに重いです。

 あとで後悔しても間に合いません。


 経済苦に陥った大学生の皆様方には、その重大さを冷静に数ヶ月かけて考えて頂ければと申し上げたいと思う次第です。
 



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