モックセンター のブログ

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論理的でない意見や要求とどのように向き合うべきか

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 新型コロナウイルスの感染者が急激に増えるのと歩調を合わせるように、東京五輪中止を主張する声が再び強まってまいりました。


 この度の第5波と呼ばれる増加傾向が見え始めたのは五輪が開幕するよりも前だったものですから、感染者数の増加と東京五輪とを結びつけて、あたかも五輪が感染者を増やしたかのように言うのは無理筋だと私は感じるのですが、そのあたりの因果関係を論理的に示さずに、一方的に五輪悪玉論を主張するテレビ番組などを見ておりますと、非常に嘆かわしく思われてなりません。



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www.yomiuri.co.jp
www.asahi.com



 テレビの視聴率は据え置き型のテレビを見た世帯の割合を集計したものであります。ですからこの五輪の視聴率は、少なくともその世帯の最低1人は外出せずにテレビの前に居た事を示すものであって、この小池知事の発言に何も嘘は無いと思います。

 いまどきテレビの視聴率で20%を超えるというのは滅多に無いものですから、五輪を中止してテレビを通常放送に戻した方が、そのぶん外出を誘引する事に繋がるのは自明であります。


 ですから、五輪を続行するのは、国民の皆様にステイホームをお願いするにあたり、「お願いします!」と昨年来代わり映えのしない使い古されたキャッチフレーズを連呼するよりよっぽど効果があります。

 ステイホームを有効的に促せば、接触人数を減らし、感染拡大防止に繋がります。


 よって、五輪は感染拡大防止に有効であると、合理的な説明がつくと私は考えます。



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 五輪が開催される直前の7月16日には埼玉県所沢市で、翌17日には宮城県仙台市でそれぞれプロ野球オールスターゲームが行われ、1戦目は約9千人、2戦目は約1.5万人の観客を動員したのですが、これについて「感染拡大に繋がる!」と批判を行った大手メディアの姿はありませんでした。

 しかしながら、オールスター第2戦が行われた宮城県仙台市のお隣の利府町で7月21日に行われた東京五輪女子サッカー競技を有観客(予定6千人、実数3千人)で行う事に批判をするメディアや政治家は多数見受けられました。


www.asahi.com


 全く論理性の欠片もありません。行政機関のトップからして、我が国の憲法が標榜する法の下の平等を尊重する意思が無いというのは非常に由々しき事だと私は思うのですが、この点を仙台市長に問うメディアも見られません。


 プロ野球とJリーグは昨春から共同でコロナ問題を協議したり対策を話し合う組織を作って、専門家の意見を聞きながら現場での対応に活かしていく取り組みが行われており、当然それは女子サッカーの試合にも活かされていたわけですが、そのような努力を省みるメディアもありません。


 とにかく「五輪」と名のつくものはまかりならぬという、非常に歪なものを感じざるを得ません。



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 NHKも民放テレビ局も事あるごとに「なぜ五輪だけ認められるのか」という言葉を繰り返し言い続けているわけですが、しかしその言葉を放ったのと同じ番組内のスポーツコーナーで「今日のプロ野球」「今日のJリーグ」「今日の大相撲」などの情報をしっかり報じており、冒頭の「五輪だけ認められる」状況には無い、スポーツはだいたい開催を認められている実情から目を背けています。


 それはつまり、「なぜ五輪だけ認められるのか」という虚偽の説明を繰り返し視聴者に言い聞かせ、社会の分断を進めている事に繋がります。


 プロ野球を始めとした、毎年毎年休み無く続けられキャッシュリッチなスポーツは味方陣営として認められ、他方で、4年に1回しか行われず、五輪で世間に目立つ機会を失えばスポンサー獲得もままならずに競技続行さえ危ぶまれるようなアマスポーツは敵陣営として退けられる、スポーツ間、競技種目間の分断であります。


 テレビ局からしてみれば、アマスポーツなど金にならないから中止になっても痛くも痒くも無いのでありましょうが、2012年から2020年まで「アスリートファースト」だの「夢の舞台」だのと散々持ち上げて、桑田佳祐さんの歌で盛り上げに盛り上げまくってきた過去との、あまりに無責任な掌返しに憤りを隠せません。



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 テレビでは毎週のように繁華街の人流の増減を報じ続けており、五輪があろうとなかろうとあまり代わり映えせず、増加傾向が長いこと続いているのを示しています。


 東京の繁華街などでは五輪云々以前に、経営体力が奪われて堪えきれなくなった飲食店が時短要請を無視して営業を続ける事例が増えてきており、山梨県内に戻らないと夜ご飯にありつけなかった数ヶ月前までとは様相がかなり変わってきていると、私自身感じている所です。


 そういった、多くの人が抱える様々なフラストレーションの矛先を、何の因果関係も示さずに、なんでもかんでも五輪のせいにしてしまおうというようでは、それこそ、たちの悪い風評被害をブーストするような、前時代的で、非文明的であると指摘しなければなりません。



 ここ数日五輪アスリートの皆様方に対する誹謗中傷が問題になっていますが、NHKも民放テレビ局も、自分達も同じ穴の狢だと、少しくらい反省してみて欲しいものだと、私は憤っております。




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