モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

ケータイ弱者を誰が支えるのか

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 少し前にこのNHKのニュース記事が話題になりました。


www3.nhk.or.jp



 知的障害とは分類されないものの、日常生活に支障をきたす程度のIQに留まる方がおよそ全人口の14%程度いらっしゃるとされ、そういった方々の日々のお困り事を紹介する趣旨のニュースでありました。


 私自身の経験として、携帯屋さんで店員や店長をしていた頃に違和感を覚えるようなお客様が一定程度おられたのはハッキリと覚えていますし、現役で携帯電話販売店に従事されている皆様の間でも、同様の感想を持っておられる方は少なくないように思われます。


 日々刻々と変化する携帯電話・スマートフォンの世界において、このような境界知能とされる人々や、それとは別のご事情などによって変化に追いつけない人々を、誰がどのようにお支えしていくのが良いのか。

 
 そろそろ真面目に考えなければならない時期が来ていると、私は考えます。



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 私は基本的にガラケーガラホを擁護する立場として自らを定義しており、時折このようなブログ記事を書いたりしております。


hodogayamockcenter.hatenablog.com

 
 全てが全て弱者とされる人々の為という訳では有りませんが、変化に追いつけない人が少なからず存在するのを実感している以上は、この方々を捨て置くのは許せない、とも考えています。


 ですから、携帯キャリアがメーカーにお願いしてガラホ作りを継続してくれる現在の流れを絶やさぬように、自分としても非力ではあるものの、後押しをしたいと考えております。



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 いわゆる弱者と分類される方々にも携帯電話は必要な社会インフラであるに違いは無く、そういった方々にガラケーガラホは必要不可欠なものとして、ハードの面で引き続きお支えしていくのが必要であると指摘する一方で、ではソフトの面で、とりわけサービスをどのように維持していくのが良いのかという事にも目を配っていきたいものであります。


 例えば携帯電話が故障してしまったり、意味のわからない請求がきたり、様々なお困り事が生じるわけですけれども、そういった時のアフターケアを誰がどのように担うのが良いのでしょうか。


 恐らく、普通の人が考えて出す答えとしてはキャリアショップという事になろうかと思いますが、現状において、必ずしもそれが最適解とは言えない場面がしばしば生じておりました。


japanese.engadget.com
www.excite.co.jp
premium.toyokeizai.net


 つい最近まで長らくの間、ほとんどのキャリアショップにおいてお客様に無用な別料金オプションを強制加入させたり高額な料金プランを選ばせるような事を事実上キャリアが強いる形を取っていて、例えばガラホの調子が悪いとキャリアショップに相談を訪れた人に手練手管を用いてスマートフォンを契約させる、といった事が頻繁に繰り返されておりました。


 キャリアからこういった営業を強いられているキャリアショップにとって、先に挙げた境界知能とされる人々というのは、非常に言葉が悪いのですけれども、非常に与し易い、悪い意味でありがたいお客様として思惑通りの契約をさせられてしまうような所がありましたので、ですから困った時の駆け込み寺的な存在として、必ずしもオススメできる場所では無かったですし、今後もまだまだわからない状況にあると私は思います。


 それにそもそも、キャリアショップは今後も現在のような幅広な店舗数を維持し続けられるのか?という懸念も拭えません。


www.nikkei.com



 携帯電話のインセンティブ販売が厳しく制約されて、ネット専業プランの拡充が進めば、キャリアショップの収益源が伴わなくなるのが必然でして、NTTの社長もドコモショップの店舗数を減らす事を暗に示唆する発言をしておられます。


 ですから、キャリアショップが困った時の駆け込み寺としての存在足りうるのか、質量ともに微妙な状況であると言わざるを得ません。



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 境界知能とされる方だけでもおよそ14%おられると推定されて、その上でご高齢の方やその他様々なハンディキャップをお持ちの方もおられるとなれば、その割合は軽視できるものでは無いのが明らかで、その多くの方々を今後も脆弱な基盤に載せたままで、一方的に電子マネーを始めとした電子社会を急速に進化させてしまうというのでは、非常に先が思いやられると私は危惧を致しております。


 ですから私は、携帯電話業界に対して乾いた雑巾をさらに絞り上げるがごとき仕打ちを続けるのではなく、業界で働く人々が適正な給料を稼げ、なおかつ社会的弱者とされる方々をしっかりお支え出来るくらいの経済的な余裕を持たせられるような方向性に、国の政策の舵を切ってもらえないだろうか、という風に考えております。


 菅総理は最近になって携帯電話の料金を更に下げろという風な圧力をかけ始めていると見聞きしますが、その圧力の先に何が起こるのか、よくよく考えてもらいたいものだと思う次第であります。



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