モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

家電量販店の窮状と携帯電話離れの見通し等について

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管理職などに就いている30歳前後の自社従業員を販売員に転換し

既に店長代理やフロア責任者といった役職者を、研修を通して販売員リーダーに転換している。


 それほど長くない記事の中に、なかなかドラスティックな文言が並んでおります。

 店長代理やフロア責任者といったそれなりに販売現場を熟知しているであろう立場の職員さんに対して今更何の研修を施しているのか私にはわかりませんが、これまでのサラリーマン社会のヒエラルキー的に言えば、あまり嬉しくない措置が講じられているというのは充分伝わってまいります。


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 一昔前は違法な二重派遣で差し向けられた派遣販売員(販売ヘルパー)を家電量販の社員が厳しく指揮指導し、馬車馬のようにこき使うような状況がしばしば見受けられました。

 それが今はコンプライアンスの遵守で上記のような悪習の根絶が徹底されるようになったわけですが、それはそれで使い勝手が宜しくないのでありまして、自分達で頑張るようにしましょう、という経緯になったと思われます。


 ヘルパーが送り込まれると売り場の構成を自由にいじれなくなる制約もありましたが、今後はヘルパーの撤収で制約がなくなります。とりわけ家電量販店の店内一等地に鎮座している事の多い携帯電話売り場が、それによってかなり格下げになるのは間違いない所でありましょう。


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 家電販売は利幅がとにかく薄い事で知られています。業界全体で過当競争していたツケに加え、昨今ではネット通販の影響も甚大です。


 そういった中において携帯電話は、他の家電と比べれば比較的利益を得やすい商材であったと思います。


 というのも、他の家電と違って携帯電話の販売は基本的には携帯キャリアの回線契約と何らかの結びつきがあり、そこからインセンティブを得られるからです。

 そのインセンティブの部分は商品価格の値下げ競争とは別枠で確保されていますから、売り手としても安心して扱えたのです。

 
 だから長年家電量販店の一等地に携帯売り場を据え続けられたわけですが、それが近頃の政府の規制によって「インセンティブで利益を得るのはまかりならぬ」という情勢となり、これまでのように安心して売れる商材では無くなってしまいました。

 それに加えて政府の要請で携帯キャリア各社がスタートさせたオンライン専用プランが好調で、家電量販店の食い扶持が奪われる状況に追い込まれていますから、これは不味いぞと家電量販各社が危機感を募らせるのは当然の成り行きであります。



limo.media



 直近の営業状況的には携帯電話が好調という一報が伝えられてはいるものの、その要因は恐らくiPhone投げ売りの再開による一時的なものと思われますので、ビックカメラに限らず、だいたいの家電量販店はこれから携帯電話販売のリソースを下げていくようになると私は予想しております。



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 家電量販店における携帯電話売り場の存在意義は、ただモノを売る為だけではなく、新商品や新サービスを幅広い人々に周知させる為のプロモーションの場、デモンストレーションの場という意義も相当大きいと、私は考えております。


 テレビで15秒や30秒流すコマーシャルにいかほどの効果があるのか疑問符がつけられるようになった昨今、不特定多数の人々にしっかり訴求できる場所を持つ事は、とても重要です。


 こればっかりはネットでいくら広告を流しても伝わるものではありません。リアルな場が必要なのです。


 そういった貴重な場所である家電量販店の一等地にある携帯電話売り場をことごとく失った後の日本の携帯電話業界が、これから果たしてどのように消費者に物事を訴求していくのか、私は大変な不安を持っております。





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