モックセンター のブログ

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楽天モバイル0円廃止に賛同するとともに

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 楽天モバイルの0円で維持できる料金プランが改定され、最低でも毎月980円かかるようになるとの事です。


www.itmedia.co.jp



 この件に関するネットメディアやスマホ界隈のジャーナリストのご意見を見た限り、ネガティブな評価が目立つように感じられましたが、私個人としては正しい判断を下されたという感想を持ちました。


 なぜならば、楽天モバイルの巨額投資に見合わぬ収支構造が楽天グループ全体の足を引っ張ってしまっているからです。


www.sankei.com



 昨年7月にはアメリカの大手格付会社から「投資不適格」との厳しいジャッジを下されたのは記憶に新しい所であります。

 投資不適格というのはつまり「潰れるかもしれませんよ?」と示唆されたわけで、そのような経営状態の企業が料金を取らずに携帯電話サービスを行うというのは、著しく不健全であります。


 また、そのような経営状態の会社にタダで携帯電話サービスを続けさせようという人達の情け容赦の無いスタンスこそ如何なものだろうかと、私は思うのです。



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 「それならば最初から0円なんて打ち出さなければ良かった」という反論もあるかもしれません。


 確かにそうですが、ただし菅政権によって行われた官製ダンピングによって既存の大手3社と料金が横並びになってしまった以上、あのタイミングではやむを得ない判断だったと擁護したいとも思います。


 もしも楽天が大手3社の官製ダンピング価格と横並びのままで済ませようとしたならば、その時点でほぼ間違いなく、楽天モバイルの戦いは終戦したでありましょう。


 消費者が楽天モバイルに移行する動機が失われますから、楽天モバイルの加入者獲得が頭打ちになるどころか、通信環境の脆さを理由とした純減も起きたに違いありません。


 それによって、その時点で費やしていた数千億もの巨額投資は全て無駄に終わり、楽天モバイルを大手3社のどこかに救済合併させる、イーモバイルの時と似た流れになったのではないでしょうか。


 ちなみに、イーモバイル楽天の経緯と同じように小泉政権の旗振りで新規参入したものの、その後釜政権に手のひらを返されて万事休すになった時の大手3社の打ち出した料金も月額980円でした(※)。


※参考
www.itmedia.co.jp



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www.itmedia.co.jp


 むしろauの0円プランの方こそダンピングの最たる事例であり、独占禁止法に抵触するのではないでしょうか。


www.jftc.go.jp



 かつて大手3社はPHSウィルコムや新規参入を果たしたイーモバイルを財力に物を言わせて低価格競争の渦に巻き込み、3社で寡占する体制を築き上げました。


 その低価格競争をしている間は月額980円などの挑戦的な価格設定を打ち出したものの、弱いキャリアを滅ぼして3社体制に持ち込んだ後はなんやかんやと理由をつけていつの間にか平均月額7000円くらいまで持ち上げてきたという過去があります。

 ですからまた、楽天モバイルが存在感を示している間こそそれなりに魅力的な料金を打ち出し続けるでしょうが、楽天モバイルがギブアップしたら元の木阿弥という流れになるのではと私は危惧しているのであります。



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 近年の我が国の携帯電話市場、携帯電話業界はこのような内向きの政争にばかり明け暮れていて、肝心のサービスレベルや技術革新は極めてプアであります。


 スマートフォンの売れ筋は相変わらずのiPhoneか、発売当初から2万円前後で売られている動画アプリも満足に動かせないような貧弱なAndroid端末ばかりであります。

 ダゾーンの野球中継すら映像音声が途切れ途切れで満足に流せない貧弱さに、私は呆れてモノも言えなくなりました。こんなものを「5G搭載!」と偉そうに売らないで欲しいものであります。


 本当にこの業界には夢も希望も残っちゃいないと、悲しくて仕方ありません。



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 楽天はプラチナバンドを与えてもらえず、料金競争でも大きなインパクトを残せなくなってしまった以上は、非常に厳しい未来が待っていると言わざるを得ません。


 安倍政権のアベノミクス「大胆な規制緩和」を信じて携帯業界の門を叩いてみたものの、既存キャリアと蜜月関係の後継政権によっていっぺんに窮地に陥る様は、小泉純一郎さんにそそのかされて色々酷い目にあった堀江貴文さんの姿と重なって見えて仕方ありません。


 私は特段楽天三木谷浩史さんを応援しているというわけでは無いのですが、今はただ非常に不憫に思えてなりません。


 どうか、楽天モバイルに良い未来が訪れますよう、お祈り申し上げます。



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