モックセンター のブログ

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個人情報漏洩の被害者になる危機感は強いのに、加害者になる危機感は乏しい人が多いと感じます

kahoku.news



 岩手県釜石市役所で発生した個人情報漏洩問題に関する記事を読みまして、2004年に発覚した社会保険庁個人情報流出事件と似た性質のものだと感じました。


internet.watch.impress.co.jp



 いずれも個人情報に関する規範意識が非常に低い職員が故意に個人情報を流出させたというものであります。

 2004年の件は人気芸能人や総理大臣の情報とあってテレビや新聞で連日のように大きく報じられた大事件でしたので、この釜石市役所から懲戒免職処分を受けた40代の職員2名も当時のことを知らない筈がなく、その上で今回の事態を故意に起こしたのは間違いありません。


 この釜石市役所の職員がどういった目的で情報を持ち出したのか今のところ報じられていないようですが、どのような理由であれ、ダメな事、違法な事だとわかっているのに起こしてしまう、その異常な心理状態を、私は理解することが出来ません。



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 最近ではこのようなニュースも一部で話題に上りました。

www.yomiuri.co.jp


 Tカードを運営するCCCはかねてから個人情報の商用利用に前向きな姿勢を見せ続け、ニュースになる度に物議を醸してきましたので、いずれ何らかの形で売るだろうと私は思っておりましたし、利用者も周知の事実だとばかり思っていたのですが、意外と反発の声が強いようで、このままスンナリ事が運ぶか微妙な所でしょうか。

 ただ、CCCもコロナ禍で経営に相当苦しんでいるでしょうから、今回は多少強引にでも突破を試みるのではと思います。


 そして、反発する消費者の皆様におかれましては、CCCのこういった動きに反発するのであれば、以前のこういった報道が出た後にTカードを始末するなり、情報が出ても害のない範囲に利用を制限するなり、対処するべきではと申し上げたく思います。


 私も一応物理カード型の利用者の一人ではありますが、そもそもガソリンスタンドとドラッグストアくらいしか使い道が無いものですから、この情報に何の価値があるのかわからない程度でありまして、ですから法律の許す範囲であればCCCに売っていただいても特に異論はありません。



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 冒頭の河北新報の記事にも指摘がありましたが、個人個人のレベルでは、いわゆる加害者サイドとなる場合の危機感が乏しい人が、それなりの割合でおられるように感じます。


 例えば、とある公共性の高い民間企業の窓口で人柄の良さそうな女性職員から割引と引き換えに他人の個人情報を持って来いといった趣旨の提案をニコニコ笑顔で申し出られた事もありまして、たぶんこの方は本心から悪気など一切なく、それが危ない事だと疑いすら持たずに会社の指示に従っているのだろうな、と複雑な気持ちを抱いた事もありました。

 私は一応その方の心を傷つけてもいけないと思い「コンプラ的に危ないので、それはナシでお願いします」とだけお答えしましたが、それについて職員さんがキョトンとした表情をされていたのも印象的でした。


 重箱の隅をつつくような事を申し上げますが、スマートフォンでラインやフェイスブックのアプリを利用する際に電話帳データを差し出す仕様もいかがなものかと思いますし、それにホイホイOKを出すユーザーもいかがなものかと、かねがね思ってまいりました。

 ベネッセの個人情報事件の時に物凄くヒステリックに怒りを表明し続けていた知人が、一方で私の電話帳データをラインに出していたので、私があえて何も電話帳データも入っていないスマホでラインのインストールをしたのに、その知人とすぐに友だち登録が出来てしまったのを見て、非常に悶々としたものを感じてしまったわけであります。


 なぜ多くの人が被害者になる危機感と加害者になる危機感のバランスを保てないのでしょうか。私には理解できません。



 
 
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 携帯電話業界は他の業界と比べて、昔から個人情報の問題に厳しく取り組んでいる方だと自負しています。

 私も長年この業界の隅っこに身を置いており、故意であれ過失であれ事故を起こしたら一発アウトで自己破産やむなしだと、常にピリピリしながら過ごしております。


 業界内の動きとしては、2000年代初頭にキャリアショップの職員が個人情報のデータシステムを悪用して探偵に売り渡した事件などが起き、そこからデータシステムにアクセスする場合に必ず誰が何時何分にどういう目的でアクセスしたか自動で記録が残る仕組みを構築した上で、もし万が一流出させた場合の損害賠償の責務を負う事の誓約書を書かせる取り組みを徹底し始めております。

 また、2000年代中盤にはキャリアショップの職員が制服を着たまま休憩などで外出する際に探偵や反社会勢力から違法な勧誘を受ける事例が複数起きた事から、ひと目で職員とわかる格好で外を出歩かないように周知徹底が行われました。


 そのようにしても何らかの事案が多少とはいえ残念ながら起きていたのが実情ですが、その都度、ある意味職員の人権が制限されかねないような通達をするくらい、かなり厳しいチェック体制構築が図られています。


 ですから、「職員の甘い認識」みたいな風土は、こと携帯電話業界には存在しないものと、中の人の一人として申し上げたいと思いますし、ぜひ他の業界や官公庁においても厳しく取り組んで頂きたいと、切に願う次第です。


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