iPhoneにもマイナンバーの機能を搭載するよう岸田総理が自らアップルのCEOに掛け合ったというニュースです。
10年前なら立場が逆になってアップルのCEOが総理に何かをお願いするような力関係だったと思いますが、あっという間に逆転してしまいました。
やや、惨めであります。
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それもこれも、総務省が「端末(スマホ)と回線を分離すべし」と現実離れした政策を強行したツケなのではないでしょうか。
iモードやカメラ付き携帯電話やワンセグやおサイフケータイが瞬く間に普及出来たのは端末と回線をセットで開発する環境があったからこそです。
先だって運用が打ち切られたココアにせよ、今回のマイナンバーにせよ、このような技術的なハードルがワンセグやおサイフケータイより遥かに低いもので右往左往するハメになったのも、ほとんど全て総務省のせいだと言って間違いありません。
ですから私は、国内の携帯キャリア4社はこの状況を逆手に取って、アップルから日本政府に対して端末と回線の分離政策をただちに取りやめるよう、外圧をかけてもらうように仕向けてはどうかと思います。
その手の段取りはソフトバンクの孫正義さんがお得意だと思います。かつてその手を使ったクアルコムに助太刀してもらうのも一つの手です。
どうしても分離を求めたい人はシムフリー端末を買えば良いのですから、決して消費者の選択肢を奪うわけではありません。
ぜひともこの機に乗じて端末と回線の分離政策を取りやめさせるべきです。
マイナンバーも通信政策も、どちらも総務省の所掌です。話は早いでしょう。
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端末と回線の分離政策を継続した上で、スマートフォンにマイナンバーの機能を載せるのに、Androidが早くて来年5月、iPhoneは2024年に間に合うかどうかというスケジュール感だそうですが、Androidにしてもお付き合いしてくれるメーカーが果たしてどの程度現れるでしょうか。
せいぜい京セラとFCNTとシャープとサムスンがミドルレンジ~ローエンド端末に載せてお茶を濁す程度で、ほとんど普及せずに終わるのではと見ています。
なぜなら、ユーザーにとってもメーカーにとってもキャリアにとっても、あまりにもメリットが乏し過ぎるからです。
ですから、本気で広めたいなら、それこそ端末と回線の分離政策を止めた上で、なおかつ値下げ規制も撤廃してバラマキする以外に無いと思います。
別にマイナンバー機能は要らないけどどさくさ紛れに新しい端末に買い換えられるなら買い替えよう、という機運を醸成するのです。
そのような形で来春以降の市場を形成し、消費拡大に繋げられれば良いのではと妄想しつつ、今年の営業を締めくくりたいと思います。
本年もモックセンターをご愛顧頂き誠にありがとうございます。
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平間通信株式会社 モックセンター
代表取締役 末田卓