

古くて見栄えの悪い写真の撮り直しをしながらふと思い出したのですが、そういえばかつて、ガラケーでYouTubeやSNSを見ていた時代がありました。
この冒頭に載せた写真は2010年にソフトバンクから発売された945SHというシャープ製のガラケーのモックですが、モックに貼ってあるPOPにも「YouTube対応」「ツイッター対応」と記載してあるのが見て取れます。
この時代はアプリではなくブラウザで見るのが一般的でしたから、945SHが特別に対応させた云々ではなく、端末の処理能力と3Gのインフラさえあればどこのキャリアでも端末でも見られたわけでして、現代でも息づくそういったコンテンツが現代のテレビ番組では「スマートフォンならでは」と言わんばかりに歴史が書き換えられて伝えられている状況に、やや憤る気持ちを持ってみたりもする近頃です。
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私はこの会社を創業する前に、都内のNTT東日本の代理店で管理職をしておりました。当時はBフレッツと呼んでいた、今で言うフレッツ光のマンションタイプを分譲マンションで使用するためのお膳立てみたいな事をしている会社で、私は50人ほどいる部下を率いて営業方針や人員配置や待遇改善や大口クライアントとの調整、NTT東日本との折衝業務をやっておりました。
20代前半で携帯電話どっぷりで生きていく覚悟を決めたはずが、それから数年もしないうちに同じ通信業界とはいえ固定通信へ鞍替えした理由は、当時は日に日に増大するトラフィックに携帯インフラのキャパシティが限界に達し、もはや固定通信へオフロードさせる事が避けて通れないという業界全体の危機的状況を眺めているさなかに、ちょうどいいタイミングでヘッドハントされたからでありました。
なぜ携帯インフラのトラフィックばかり負荷が集中していたのかと言えば、着うたフルから始まる音楽配信、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信が隆盛を極めだしたからでありました。
これらの流れは欧米ではパソコンとブロードバンドの組み合わせがスタンダードで、だから初期のiPhoneがパソコンでアクティベーションしなければ使用できなかったわけでして、そもそもの文化形成がこういった形で欧米と日本とで大きく異なる経緯を歩んでおりました。
ですから私は、自ら固定通信の世界に身を投じる事で、自分で課題を解決するとまではさすがに考えておりませんでしたが、虎穴に入って中がどうなっているのか確かめてみようと、転職をしたわけでありました。
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当時生じていたトラフィックの問題は日本特有の縄張り争いで無駄に何年も消耗しながらも、ようやくほぼ全ての携帯端末がWi-Fi接続できる環境になり、NTT東日本の光ファイバーもノロノロとした歩みではありながらなんとか全国に広がって、おおむね解決を見ました。
しかし、ようやくトラフィックの問題が解決した頃になると今度は、次世代をリードするようなキラーコンテンツというか、人々を魅了する新たな楽しみが創出されず、逆にインフラばかり成長してキャパを拡大し始めるという皮肉な状況を迎える今日となってしまいました。
日本人の多くも、おそらく外国の人達の多くも、4Gで充分賄えるような使い道で満足する状況が続いていて、せっかく5Gのインフラと端末を整えても、「中古と新品のiPhone、どちらを買うべきか」みたいなさもしいトピックがヤフートップを飾る停滞感が世界中を覆っております。
スマホの画面を二つ折りにするとか三つ折りにするとかで盛り上がっているのもごく一部の業界とその周辺にいるマニアの人達ばかりで、その他大多数にとってはそんな事より中古のiPhoneの相場のほうがよっぽど注目すべきトピックである、という物悲しい状況であります。
携帯業界は、この物悲しい現状を直視しなければなりません。
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私が訴えたいのは、再びガラパゴス化せよ、という事です。
ベーシックとか、汎用性とか、そんなものはパソコンやタブレットに任せておけばよいのです。
むしろこれからの愉快で魅力的な世界を創出するための独創的でガラパゴスな、ガラケーの時代へと回帰していくべきではないでしょうか。
私が考える新時代のガラパゴスなケータイ、それは例えばファミコンを全面に押し出したものです。
みんなで集まったり、もしくはリモートでもいいですが、楽しくゲームをするのに特化した、おまけで電話とアプリが使える程度のケータイです。
とりあえずヒマを持て余している友達数名とコンビニで缶チューハイを買ってそのへんの公園で路上飲みしながらボンバーマンをしたり桃鉄をしたりするシチュエーションを想起し、そういう風に楽しめるケータイを作るべきです。
ドコモがiモードを立ち上げるにあたって外様の松永真理さんや夏野剛さんを連れてきてチームを組ませたように、全く業界外の人を前例にとらわれずに取り入れて、縄張りを気にせずとにかく楽しいものを作ろうのワンイシューで、再びガラケー黄金時代を築き上げるべきです。
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言うならば、現代のガジェットの世界は「つまらないデートコースしか思い浮かばない男」ばかりが集まって構築されていると言っても過言ではありません。
モバイルの世界はおおむね「遊び」で成長してきたのだという歴史的経緯を学び直し、どうしたら遊べるか、そういう観点を携帯業界に取り戻していただきたいと、私は願ってやみません。
PS 歯茎の腫れがだいぶ収まりましたので、本日(10/8)より電話相談窓口の受付を再開いたしました。