
総務省とソフトバンクとが一番最初にぶつかり合ったのは恐らく1996年、テレビ朝日を買収しようとした時ではなかったかと思います。
いわゆるオールドメディアくらいしか報道機関と呼べるものが無かった時代なので水面下で何が行われていたのかは不確かですが、結局ソフトバンクおよび孫正義さんは敗北を喫し、買い集めた株を買値で手放す結果となりました。
この時はまだ中央省庁再編が行われる前でしたので所轄官庁は総務省ではなく郵政省でしたが、器が総務省に改編されてからもソフトバンクの戦いは継続されました。
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これが明確に第2ラウンドだと言えるのは、2001年頃にもっともヒートアップしたADSL(ヤフーBB)をめぐる戦いではないでしょうか。
アメリカや韓国は既にDSLでブロードバンド(高速インターネット)を本格的に展開していたのに対し、我が国ではダイヤルアップのナローバンド接続しかほぼ選択肢がない状況が続きました。
リンクした当時の記事にも触れてあるように、一応は法律を作り規制を緩和したものの、総務省とNTTが一体となってブロードバンド接続の開始を阻んでいたのです。
最近村上総務相が「天下りはない」というミエミエの嘘発言(※)をして少し話題になりましたが、それこそ郵政省の頃から連綿と続く天下りと接待攻勢によって総務省とNTTとが一体となって政策を歪めてきたのは周知の事実でありまして、このADSLの問題を巡ってもソフトバンクと総務省とが激しく戦い、今度はソフトバンクが勝利したと言っていい結果を迎えました。
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村上総務相、フジテレビ問題で「天下りない」とフライング答弁 安住委員長から注意受ける - 産経ニュース
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そもそも総務省は天下りを受け入れさえすれば、割とどうにでもなる省庁であります。
その典型事例が今から15年くらい前にヒートアップした出会い系サイト規制法を巡る動きであります。
この比較的長い記事の中で唯一出会い系サイト運営側の当事者として名前とコメントを寄せているのがモバゲータウンを運営しているDeNAの南場智子さんです。
「私たちはとにかく健全性を維持して、青少年を守るということを徹底的にやっている。SNSまで出会い系にされて、全部免許証やら住民票やらを確認しないと使えないという、世界で日本だけがとんでもない状態になるのを避けるためにも、経費を年間7億円くらいかけて、やっているわけですよね。業界を救いたい、ユーザーを救いたいという気持ちで。売り上げの遺失も含めれば、何十億円ではきかないかもしれない」
そして、「我々から件数は言えないんですけれど、この前、社員が警察から説明を受けたとき、当社は『月間のアクセス数が急増しているにもかかわらず、DeNAさんはよくやっていますね』と、努力を認めていただいた」と続け、奥歯に衣を着せる。
出会い系サイト規制法が強化されて本人確認の厳格化が義務付けられようかというさなかで、なんとかそれを回避に持ち込んだ中心人物がこの南場智子さんで、そしてこの時の総務省のカウンターパートだった官僚の方こそ、現在DeNAの社長を務める岡村さんであります。
さすがに規制強化を回避するのとバーターでポストを用意したわけでは無いでしょうが、総務省と物事をうまく運ぶためには天下りと接待が有効というのはこの事例からも、またフジテレビの問題からも、見ての通りであります。
だからソフトバンクも素直に天下りを多めに取り入れれば、こんなに手間とコストを掛けて戦わなくても済むのにと私は思うのですが、むしろ挑発しているように見える部分さえあるのが面白い所でもあります。
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総務省が次々と繰り出す「スマホの販売台数もっと減らせ」的規制にその都度対抗策を打ち出してきたのはソフトバンクで、昨年暮れに始まった新規制を打ち崩す為に新たに投じたと見られるのがSamsungの新しいGalaxyであります。
総務省の規制が微妙にiPhone有利なさじ加減で調整される理由は恐らくアメリカ政府の目を恐れてのものだと思いますが、アメリカほどではないにしても国家レベルで重要なパートナー国なのが韓国であります。
日韓関係が良くない時は軍事レベルで緊張状態が発生した事もあったわけですが、現在はその頃と比べて比較的平穏な外交関係が保たれています。
ですが、ユン大統領の弾劾問題で今後の外交方針が再び反対側に振れかねない状況下で、韓国を代表する企業に目に見える不利益を与えて火種とするわけにはいきません。
まして、孫正義さんがアメリカのトランプ大統領と非常に親しい関係をアピールしているわけで、ソフトバンクがこのGalaxyという新たな武器を備えて新たな戦いに挑もうとしているように見えるのは、私だけではないのではないでしょうか。
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ソフトバンクがテレビ朝日買収を目指した1996年から今年で29年になります。
ここまで延々と戦い続けているわけですから、30年の節目を迎える来年あたりにピークが来るような面白いバトルがこれから盛り上がるのを、野次馬根性で期待して見守りたいと思います。
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