モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

店舗経営の厳しさ

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 新型コロナウイルスの経済に与える影響は非常に厳しく、弊社にモックを供給して下さる携帯ショップ様の中でも4月いっぱいで店を閉める決断をされた所が複数箇所に及ぶ状況に至っております。


 今は携帯電話業界に限らず「進学就職商戦」や「夏/春ボーナス商戦」「お年玉商戦」といった商戦期にそれほど売上が集中しにくくなった世の中ではあるものの、さすがにゴールデンウィーク期間中で、5Gのサービスが始まって、なおかつ新しいiPhoneも発売されるこの時期に店を閉めるというのは非常に異例な事でございまして、それだけに厳しさを痛感する次第でございます。


 そして、今から11年前、弊社が携帯ショップ(併売店)をオープンさせてから数ヶ月しか経っていなかった頃に見舞われたリーマンショックの時の出来事を、思い出さずにはいられません。


 あの頃は携帯電話の販売価格が国の通達によって高額になり、割賦販売システムへの移行期の最中でもありました。

 そういった厳しい地合いで、企業城下町的な性質の強い川崎市の弊社所在地においてはリーマンショックの影響がとても強く出てしまい、閉店する以外の選択肢はありませんでした。


 あの時に感じた辛さや虚しさを、現在の新型コロナウイルスの影響を受けたご商売の皆々様が感じておられるでしょうから、とても気の毒に感じているのであります。



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 新型コロナウイルスに関連して休業要請を受ける業種の皆々様がたの中で特に目立つのが、実店舗を構えてご商売されている飲食店やサービス業などであります。


 要請に応じてお店を休んでも家賃や従業員さんのお給料や水道光熱費など、ほとんど減らない固定費の負担は非常に厳しい筈で、しかもこれがあとどれくらい続くのかも想定しにくい状況とあっては、なかなか難しい判断となります。


 苦労して立ち上げたお店。少しづつ増やしてきたお客様。頑張ってくれる従業員。こういった一つ一つの思い入れがあるから、なんとか無理して続けようとしてしまうのが経営者の性なのかもしれません。

 
 私もリーマンショックの時にはそうやって悪あがきを数ヶ月続けましたが、それによって残されたものは、数百万円余分に増やした借金でありまして、今でも時々当時の事を思い出しながら、あの時にもっと早く見切っていれば今頃はもうちょっと余裕のある経営が出来ていたのに、と考えたりもしております。


 こういう時には思い切って諦める事も、決して悪い選択肢ではありません。


 人間は生きてさえいれば、やり直しが効くのです。

 ただし、無理な悪あがきは、時としてやり直しの足かせに繋がります。


 ですから、諦める時はスパッと決める事が重要です。



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 私は2018年の4月に、横浜市保土ケ谷区で店を続ける事を諦めて、山梨に移ることを決めました。


 過去の反省を踏まえ、スパッと秒で決めました。


 そして今、世間がこれだけ大騒ぎしている中で、「3密」などほとんど存在しない田舎で事務所と畑を行き来する生活を続けながら、引っ越して良かったと胸を撫で下ろしております。


 弊社も売上は非常に厳しいものの、日頃から毎月の固定費を徹底して絞り上げて危機への備えを万全に固めておいた成果をいかんなく発揮し、まるで何事も無いかのように営業を続けております。


 確かに売上の落ち込みは顕著でありますが、しかし廃業が脳裏にちらつくほどの危機には至っておりません。


 ですから皆様、ぜひ安心して弊社をご利用ください。

 宜しくお願い申し上げます。



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 新型コロナウイルスの収束の目処は全く見えてきません。


 欧米では感染拡大の第二波や第三波があるぞと危機意識を募らせ、ワクチンの早期実用化が実現しなければ来年のオリンピック開催も危うい等とも言われています。


 そうなってくると気がかりなのが、国内の景気、とりわけ消費マインドのさらなる落ち込みであります。


 我が国ではバブル崩壊以降ジリジリと消費マインドの低下が続き、それが抜本的な景気回復に至らない主要因と目されています。


 我が国経済の大多数は国内消費によって占められている為、ひとりひとりの消費者が財布の紐を締めれば締めるほど、そのまま国全体の景気悪化に直結します。


 そうなってくると新型コロナウイルスの感染が収束せず、来年のオリンピック開催が中止にでもなれば、いよいよ末期的であります。


 それでなくとも人口ボリュームの多い団塊世代の方々が後期高齢者となられて介護負担が増し、将来不安が強まる現状で、国内消費への悪影響はとてつもない事になるでしょう。


 そうなってくると、頑張って設備投資をして店を開業しようというベンチャースピリットを持った人々がほとんどいなくなって、やがて日本中がシャッター商店街化してしまうのでは?と、大変な懸念へと繋がっていくのであります。



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 私は元々東京オリンピック後の景気動向を非常にシビアに予想しており、おそらく一般消費者向けの商売は極めて厳しいものになるであろうという想定の元で、お店をやるのを諦めたという経緯があります。


 そこから先は政府がどのような感染対策を打ち、そして経済政策を打ってくるだろうか。これが重要な判断材料になります。


 私としては、東京一極集中の弱点がこうして顕著になった以上は、地方創生などというヌルい政策を何段階もステップアップさせ、それこそ遷都や道州制移行をやる事も厭わない位大掛かりに、地方に人口を分散化させる政策が必要なのではと考えます。


 その他、国内消費依存の経済は厳しいとかれこれ30年実感し続けてきましたので、大胆な規制改革で海外にモノを売って、外需で景気を回すような働きかけも必要です。

 その一環がクールジャパン戦略ですが、これがどうしてうまくいかないのかを詳しく分析して、今後に活かす取り組みも必要ではないでしょうか。


 だいぶ話が逸れてしまいましたが、要するに今後の店舗経営の世界は相当厳しいという風に私は見ております。


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 実店舗を構えて営業しますと、ネット販売専業でやるのと比べて格段にコストが嵩み、それゆえ価格競争に抗いにくくなります。

 弊社には今でも実店舗で買いたいというお声を時折いただきますが、それを実現するには、相応の費用を出し、価格に反映させる覚悟が、経営者とお客様の双方に求められると言えるのではないでしょうか。


 ですから、もしお気に入りのお店がある場合には、少々無理をしてでもお店に繰り返し通い、お金を落として、そのお店の経営を後押しして下さると良いと思います。


 実店舗は厳しい時代なのです。


 皆様にお訴えしたいと思います。



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