モックセンター のブログ

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「感謝を込めて」商法に対する違和感

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 山梨県の北部にある「ハイジの村」という県営テーマパークでは、昨年と今年の2年連続で「医療従事者に感謝を込めたイルミネーション」という、ちょっとした催しを行っているようで、こちら山梨の地元のテレビで連日コマーシャルを放映しております。


※ ハイジの村ホームページ
www.haiji-no-mura.com




 昨年の今頃は新型コロナウイルスの感染者が全国的に急増し、病院はどこでも大変な状況にありました。

 ですから医療従事者の皆様でハイジの村に足を運ぶ余裕のある人など、めったに居なかったのではないかと、当時は感じておりました。


 そしてその医療従事者が著しく多忙であるがゆえに見られないのが明白なイルミネーションを「医療従事者に感謝を込めて」と称するのは、いささか空気が読めていないのでは?と私は思いました。

 医療従事者をダシに使う、なんともさもしい商売だとしか私には思えませんでした。


 また、当時は不要不急の外出自粛が強く呼び掛けられておりました。

「3密」に注意しましょうと盛んに注意喚起されていた中で、あえてイルミネーションを作ってお客さんを大勢集めようという目論見も、甚だ理解に苦しむものでありました。


 今年もまた同様の催しが行われるという事は、昨年のそれでそれほど否定的な声が挙がってこなかったからなのか、もしくは新型コロナウイルスの状況がいくらか落ち着いているから大丈夫だろうと踏んだのか、中の人達のお考えはわかりませんが、集客のやり方にもう少し配慮を込めるべきではないだろうかと、私は考えております。



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 大手アパレルのユニクロさんが数日前まで「ユニクロ感謝祭」というセールを行っておりました。


 テレビコマーシャルでは女優の綾瀬はるかさんが「ユニクロとは関係ない」と自称する男性に対して感謝を押し売りする様子が流されておりまして、それを見た性格の悪い私としましては、ついうがった見方をせずにいられませんでした。


 ユニクロと言えば、近頃では新疆ウイグル自治区で中国政府が強制労働させている疑いのある所から繊維素材を仕入れているというトピックがありました。


 欧米のアパレル各社がこぞって新疆ウイグル自治区の繊維素材を仕入れるのを止めると表明していく中で、ユニクロはあえてそのまま仕入れ続けるスタンスを崩していないという事で一時期ユニクロに対する批判が集まったものの、その批判もいつの間にか収まったという今日このごろであります。


 ですからつい「新疆ウイグル自治区の件で批判するのを止めてくれて感謝」とか、「強制労働で繊維素材を作っている新疆ウイグル自治区の人々に対する感謝」とか、そういった妄想をたくましくしてしまうのであります。


 そういった様々な意味も含んだ感謝であるならばユニクロと無関係の人に感謝を押し売りしても辻褄が合うように思えなくもないわけでありまして、感謝セールにも色々あるなぁと等と感じた次第であります。



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 小売業を営む各社が何かの大義名分を打ち立ててセールを行って消費者の耳目を集めようとする目論見は昭和の時代からありましたが、例えばプロ野球の巨人が優勝すればデパートのそごうが優勝セールを打ち、西武が優勝すれば西武百貨店西友がセールを打つという、有る種の不文律がありました。

 巨人の優勝セールを打つためにそごうやビックカメラが巨人に公認スポンサー料みたいなものを支払っているという話もありました。


 しかし近年はそれも段々と崩れてきて、それこそ何でもいいから大義名分に成りそうなものをでっち上げて、それによってセールを盛り上げようという風に無秩序化してきたように思われてなりません。


 イオンが近年取り組んでいるブラックフライデーだったりお菓子メーカーの「バレンタインデーに「自分へのご褒美チョコ」」だったりはまだ微笑ましいと言えるのかもしれませんが、しかしながら「医療従事者に感謝を込めたイルミネーション」くらい飛躍して、あまりに飛躍し過ぎてかえって反感を買うレベルにまで到達してはいないでしょうか。



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 世界各国が物価の上昇に危機感を強める昨今、なぜか我が国だけは屁理屈とか大義名分を無理くり放り出してまで値下げセールに固執している異様さを踏まえつつ、近頃何か色々おかしいのではないかと、私は違和感を禁じえません。 
 

 

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