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先日私は私用で横浜市内に行ったついでに、横浜市某所にある郊外型の家電量販店に立ち寄ってみました。
量販店の店頭ではauのキャンペーンが行われておりまして、何がもらえるのかハッキリしない抽選会とやらと、iPhoneが一括0円で購入できるという大きな看板と、あとはポケットティッシュやチラシを配るキャンペーンガールの姿がチラホラ見受けられました。
そして、そのキャンペーンに食いつくお客様の数は、全くのゼロであった事も付け加えておかなければなりません。
お客様に全く見向きもされないキャンペーンであります。誠に悲惨の一言に尽きるのであります。
それもそのはず。これは私が携帯電話販売会社の社員として働いていた20年近く前には既に行われていた「キャンペーン」と称する販売形態なのであります。
これだけ同じ芸風を長いこと続けていればお客様だって当然見飽きるでしょう。染之助染太郎師匠の「おめでとうございまーす!」のような鍛え抜かれた芸風ならいざ知らず、派遣会社から送り込まれた練度の低い非正規労働者が見よう見真似でなんとか続けている乏しい芸でしかありませんので、結果が無残に終わるのも必然としか言いようがありません。
なぜ彼らは20年近く前から同じ手法を使い続けているのだろう。少しは成長しないんだろうか。などという感想を持ちました。
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この手のキャンペーンはauだけではなく、ドコモもソフトバンクもいまだに続けているのではないかと思います。ですから1キャリアの問題として捉えるのではなく、MNOキャリア全般が抱える、成果の乏しい、そして代わり映えが全くしないキャンペーンをウン十年も続けている問題として考えるべきではないかと私は思います。
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この手のキャンペーンは基本的にキャリアの現場担当の営業社員が家電量販店の現場マネージャーに日時の打診を行って了解を取り、その後取引関係のある派遣会社に対してキャンペーン実施の発注を行います。それを受けた派遣会社がキャンペーンガールとディレクター役の人員を用意し、及びキャンペーンの際に使用する衣服類やキャンペーンPOP等の販促品の準備をして当日に臨みます。
この流れがルーチンとしてあって、この流れの中にある誰かが問題意識と代替案を提示して「今までと違うことをやりましょう!」と言い出さない限り、このルーチンは変わらない。そのように私は理解しております。
ところが、今の所このルーチンに改革を起こす人は現れていないと見えて、それで20年近くに渡って相変わらずダラダラと続けてきてしまっている、という事なのだろうと、私は推測しております。
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MNOキャリアは日本のありとあらゆる企業の中でも特に経営状態の恵まれた状況にあるのは皆様もよくご存知の通りで、それはつまり現場で働く従業員の危機意識の欠如であるとか、コスト意識(費用対効果への意識)の欠如とかといった病状にそのまま直結する状況にある、と私は感じております。
ましてや、NTTドコモとKDDIに関しては安定志向の強い人が入社を希望する会社、という性質がありますので、なおさら成果の乏しいキャンペーンを漫然と続けてしまうような土壌がある、という風に結びつくのかもしれません。
ガラケー全盛時代の頃にパナソニックや富士通の中の人と直接やり取りしていて感じた違和感というか、それと似たものを今のMNOキャリアから感じ取れるという風に私は思っております。
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私はこの「ウン十年も代わり映えのしないキャンペーンをいい加減なんとかして欲しい」という考え、立場から今日の記事を書いております。
その私の考えからしますと、この問題においてターニングポイントとなるのは派遣会社ではないか、という風に指摘させて頂ければと思います。
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近年は非正規労働に対して世の中の風当たりが厳しくなっている事と存じます。それはその当事者たる派遣会社の皆様もそうだろうと推察されます。
ですから、ただただ一方的に世間から叩きつけられる逆風を受け続ける現状を打破する手段の一つとして、MNOキャリアに対して目新しいキャンペーンを色々と提案していくべきではないか、と考えています。
手持ちの予算やリソースの中で打てる手立てはどのようなものがあるかという事を各社で様々に検討して頂いて、余裕がある会社は自腹を切って自社考案の斬新なキャンペーンを実施してその効果のほどをMNOキャリアに見せつけて新規の受注に繋げていくとか、色々とやりようがあると思います。
ましてや、相手は予算がガバガバなMNOキャリアですから、ここで一つうまく新しい形を作ればその後の飛躍的な増収増益は約束されたも同然ではないでしょうか。
ですから、ここはひとつ派遣会社の皆々様におかれましては、新しいキャンペーンのあり方というものを考えて頂いては如何だろうかと、ご提案申し上げたいと思います。
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キャリアや派遣会社に対してせっつくだけでは無しに、弊社もこれをひとつの商機と捉え、弊社の商材と絡めてご提案などをしていきたいという風にも考えております。
既にいくつか煮詰めたプランもありますので、ぜひ今後もご贔屓に頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。
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