モックセンター のブログ

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他県ナンバー狩りや他県民へ厳しい目を向ける事について

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 わけあって、ここ数日横浜ナンバーの車に乗っております。


 車を購入したものの業者さんの都合で納車が少し先延ばしになってしまった為、その間だけ代車を借りて乗っているという理由です。


 そして、この横浜ナンバーを背負って走ってみた事によって初めて、巷に聞く「他県ナンバー狩り」の空気を当事者として感じ取る事と相成りました。



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 まだ数日という事もあって車を傷つけられたり見ず知らずの人から罵声を浴びせられるような経験には至っておりませんが、コンビニなどの商業施設の駐車場でこちらに向けられる目線が、山梨ナンバーで走っている時と比べて明らかに厳しいのがハッキリと感じ取れるのです。


 何やら物言いたげな中高年男性がこちらに近付いてきた事もありましたが、たまたま私が畑に行く途中で作業服姿だった事も関係したのかその男性は踵を返して去っていきまして、衝突事案にはなりませんでした。

 しかしこれは時間の問題だなと感じ、それから今後の対策を考えるようになりました。


 そういえば先日、「他県ナンバーですが山梨県民です」という張り紙をリアガラスに貼っている乗用車を見掛けた事がありました。

 もしかしたらその方もそういった空気を感じ取ったのか、もしくは何らかの危害を加えられた経験をお持ちなのかと、今更ながら振り返って考えるのであります。


 一部の人達に限られるのではないかと思いますが、それにしても世知辛い世の中だと感じずにはいられません。



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 山梨には日帰りでフラリと立ち寄れる温泉施設がそこかしこに存在します。


 山梨を舞台にした人気アニメ「ゆるキャン△」でも登場した山梨市のほったらかし温泉をはじめ、公営や民間の温泉が恐ろしいほど立地しております。


 そのため私は畑仕事の帰りにどこかしらの日帰り温泉に立ち寄る事がしばしばあるのですが、この度の新型コロナウイルスの関係でほとんどの店舗が臨時休業し、ようやくここ1ヶ月くらいの間にポツポツと営業再開するムードになってまいりました。


 それでまた畑の帰りに温泉に立ち寄るムーブへ回帰する事ができるようになったのですが、施設によってコロナ対策がまちまちで、ほぼ何も変わらずに営業している所もあれば、山梨市の公共温泉のように「山梨市民のみ前日に予約すれば入浴出来る」のようなガチガチの規制をかける所もありまして、なんとも言いようのない、不満のマグマのようなものが少しづつ水位を上昇させつつある、といった所でしょうか。


 そして、そんな日帰り温泉のコロナ対策の中で、「これはいくらなんでも酷いんじゃないか」と感じたのがこちらの施設であります。


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 「東京神奈川埼玉千葉(小さく北海道)住民お断り」と、名指しで入館拒否をするという事でありまして、まさかとは思いつつ入店すると、なんと受付時に本人確認書類の提示を義務付ける、正真正銘の排斥活動みたいな事をやっておりまして、空いた口が塞がりませんでした。


 確かに世の中では不要不急の県外への移動を呼び掛けております。

 その呼び掛けの仕方は三者三様ですが、理由はあくまで新型コロナウイルスという外的要因ですから、それぞれで工夫しながら、なるべく人の心を傷つけないような穏便な言葉遣いで自粛を呼び掛けているのではないかと思います。

 何も犯罪者の来場来県をお断りしているわけでは無いのですから、該当する人々の心にさざなみ一つ立てぬように配慮を尽くした言葉を遣わなければならない状況だと私は思うのですが、こういった地域を名指ししてのお断りというのでは、まるでその地域に住まう皆さまをバイキン扱いするかのように受け取られかねません。好ましい表現では無いと感じます。


 お店を名指しして批判するようでは同じ穴のなんとやらになってしまうので店名や場所は伏せますが、なんせ観光県なのですから、自治体や観光協会の皆様方におかれましては、こういった呼び掛けの仕方についてもしっかりと目配せをして、新型コロナが収束したら大勢の方が気分良く観光に訪れて頂けるような環境整備に務めて頂きたいと感じる次第です。



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 それにしても思う事としては、東京神奈川埼玉千葉エリアにおいて、例えば私のような山梨県民に対して厳しい「他県ナンバー狩り」的なオーラを放つ人が、ほぼ居ないという事であります。


 私は仕事関係その他諸々の理由で週に1~2度は東京神奈川埼玉のどこかしらに足を踏み入れる生活を続けておりまして、緊急事態宣言が発せられて以降は私的な理由では自粛しているものの(持病の通院以外)、廃業する携帯ショップ様が増えている関係でむしろ足を踏み入れる頻度が以前より上がっている状況にあるのですが、それでもなお、今の所「他県ナンバー狩り」の経験は受けておりません。


 それは要するに不要不急の県境越えを自粛するのは新型コロナウイルスの感染を広げない事が理由であるという意味を東京神奈川埼玉エリアの人々は充分理解していて、あまり感染者が多くない山梨県民を忌避する必要が無いと判断されているからに他ならないと考えられます。


 他方で、山梨側でいささかヒステリック気味に他県民を忌避する理由もまた、本来ならば新型コロナウイルスの筈であります。

 しかし山梨側のそれは、度が過ぎているように思われる場面も少なく有りません。先述した日帰り温泉の例などがそうです。


 最近公的機関が行っている疫学調査等によれば抗体保有者の割合は数字の大小はあれど、都市部でも1%を大きく下回る程度に過ぎないとされております。

 であるならば、東京神奈川埼玉千葉の住民の方々をヒステリックに拒むような理由にはなり得ないと私は思うのです。


 よく「正しく恐れる」と呼び掛けられますが、その通りに正しく恐れるとするならば、そのような1%にも満たない感染率で、なおかつ重症化やお亡くなりになる確率が輪をかけて低い疾病に対して、来県や来館を頑なに、本人確認書類の提示を求めてまで拒むような話なのか?という疑問を持つのが普通なのではないでしょうか。


 少し前はPCR検査を受けたくても受けられない状況で「公表されている感染者数より実際は遥かに多いのでは」と猜疑心にかられる人が多かったと思いますし、その不安は当然あって然るべきなのでしょうが、現在はそれも落ち着いて、それなりのルートで合理性があると認められれば検査を受けられ、その上で感染者数が非常に低く抑えられているのがハッキリとしている状況に落ち着いたのですから、「正しく恐れる」の通り、不安心理もアップデートされるべきで、それは山梨県の様々な施設における対応にも反映されるべきではないでしょうか。


 それがこうやって、いたずらに大消費地の住民の皆様のお気分を害されるような行為を観光地で続けているというのは、好ましい事ではないと私は考えます。



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 健康を害したり命を失ったりするのが恐いのであります。


 だとすれば、新型コロナウイルスを正しく恐れる為に最新情報を適宜適切に入手して知見をアップデートするべきでして、新型コロナウイルス以外の身に及ぶ危険と比較検討して、バランスを取るべきだと思います。


 山梨では未だにタバコをお吸いになる方が多くいらっしゃり、体感的には成人の半分は喫煙者という感じがするのですが、タバコを吸うことで肺がんや咽頭がんに罹って死ぬ確率は、恐らく新型コロナウイルスで死ぬ確率よりも高いと思われます。


 ですから、新型コロナウイルスが恐いと言いながらタバコを吸っている人は、コロナの前にタバコを止めたらどうですか?という考えがあって然るべきです。


 そういったバランスとか比較検討も全く成されずに、ただ新型コロナウイルスばかり過剰に怯えて他県の方々を排斥するというのはどう考えても辻褄が合わないわけでして、山梨県民の皆様におかれましては、どうか「正しく恐れる」を冷静に考えてみて欲しいと、12年前に禁煙に成功した私は痛切に感じる次第であります。



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