モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

繁忙期の筈なのに店じまい、が続いています

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 従来、携帯電話屋さんの繁忙期は1月から3月にかけての時期とされてきました。

 これは、1月のお年玉商戦から始まって3月の新入学や進級、就職をお祝い、そして準備する流れの中で「これを機にケータイデビューを」と考える方や、機種変更をされる方が多いのが原因であります。


 携帯電話の普及率が9割を超えて国民のほとんどが携帯電話を持つ時代になって以降もこの傾向は続いておりました。
 
 例えばお正月で田舎に帰省した時、親子孫三世代でショッピングセンターや家電量販店へ買い物に行き、そこで孫に新しい携帯電話をおねだりされたお爺さんお婆さんが「可愛い孫のためなら」と財布の紐を緩めてしまう事も往々にして見受けられましたし、これまでキッズケータイを持たされていたお子さんが「小学6年に進級したらスマホに買い替えてもらえる」という約束を親御さんから取り付けて、そしてその約束が成就したり、そういう時期だからであります。


 しかしそういったムードも近年は非常に乏しくなってきており、そのせいか、本来なら繁忙期だったこの時期に携帯ショップの廃業を決意、実行されるケースが出てきてしまったというわけです。


 非常に残念な事に、この1ヶ月の間だけでも弊社のお取引先携帯ショップが3軒閉店致しましたし、他にもそのような話を耳にしております。


 とても残念で仕方ありません。


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 過去と比べて携帯電話・スマートフォンを購入する際の手続きが面倒くさくなり、「せっかくだから買っちゃおう」と、その場のノリだけで買いにくくなってきたという印象もあります。


 お正月の帰省で久しぶりに一堂に会した親子三世代で家電量販店へ行き、そこで孫にねだられて新しい携帯電話を買ってあげようという風に進む流れの中で、「おや、お婆さんの携帯電話もだいぶ古くなってきているではないか。それならこの機会に一緒に買い換えよう」という「ノリ」が生じる事もあります。


 そういった場合、以前なら複写式の紙の申込書に名前住所電話番号を書いて運転免許証のコピーを取ってもらい、あとはお金を払えば、ものの数十分で新しい携帯電話を手に入れられ、家電量販店から祖父母の家に戻り、そこで子供や孫に新しい携帯電話の使い方を教えてもらったり孫の写真を待ち受け画面に設定したりスムーズに事が運んだわけですが、今ではそんなに単純ではありません。


 まず複雑怪奇な料金プランや有料オプションの説明でウンザリさせられ、端末料金の分割払いの説明で再びウンザリさせられ、その手続の煩雑さに興ざめしてしまう事間違いなしです。
 
 これでは「ノリ」で買ってもらうどころではありません。


 このようにご家族で来店された方々がついでにもう一台買って下さるというのは帰省シーズンならではの、売り手側にとってとても重要な商機でありますから、こういったムード、「ノリ」が損なわれている昨今の情勢は痛恨の極みと言えるのではないでしょうか。



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 弊社がお取引頂いている携帯ショップ様は、基本的には併売店であります。複数の携帯キャリアを扱うショップであります。


 以前は都市型ショップも郊外型ショップもそれなりにいらっしゃいましたが、近年、とりわけ携帯電話の販売価格がキャリアによって統制されるようになった事や政府によってキャッシュバックが禁止された事から、事実上価格競争が出来なくなり、それ以降は都市部の、近隣に家電量販店がいくつもあるようなエリアの併売店が壊滅状態に陥り、ごく一部の在留外国人向けに特化したようなショップくらいしか生き残れなくなりました。

 
 それと比べると郊外型のショップは徒歩圏に家電量販店がいくつもあるようなエリアはそうそうありませんので、比較的マシな状態でありました。

 しかし、比較的マシな状態であった筈の郊外型のショップもとうとう踏ん張りきれなくなってきてしまいました。


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 携帯電話業界は勃興期から非正規雇用を非常に多用してきた業界ですが、その中にあって併売店に限って言えば、正確な統計があるわけではありませんが、正規雇用の割合が極めて高かったのであります。

 ですから私は、なんとか非正規雇用の悪循環から抜け出そうともがいている人を見つける度に、まずは正規雇用の実績を作るために携帯屋さんで働くことを勧めてきました。
 どこの運営会社も中途採用を積極的に行い、学歴職歴よりも本人の頑張る意欲を重視する傾向がありましたし、基本給の他に成果給を出す会社も多かったですから、念願の正規雇用、正社員へのステップアップの場として申し分がなかったのです。

 非正規雇用を脱却して携帯屋さんの社員になった人から、生まれてはじめてボーナスをもらった喜びを聞き、私もとても嬉しく思ったものでした。


 今でも非正規雇用の悪循環から抜け出せずに苦しんでいる若い人も結構多いと聞きますから、そういった人達がステップアップしていける貴重な間口がこのように大幅に狭まってしまっているのが、実に残念でなりません。



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 携帯ショップ、特に弊社がお付き合いさせて頂いている併売店は、今後も必要不可欠な存在だと私は考えます。


 お取引させて頂いているからという身贔屓的な側面も多少は生じているかもしれませんが、それを割り引いても、それでも必要だと考えます。


 なぜなら、一般の消費者の方々に複数の選択肢を提供する唯一の販売チャネルだからです。

 キャリアショップが複数の選択肢を提供する場所でないのはもちろん、家電量販店も各キャリアのキャリアショップのような存在がワンフロアに並んでいるだけで、複数の選択肢をフラットに提供する存在足りえません。


 ですから、特に知識が不十分でプロの介入を必要とする消費者を救える唯一の場として、併売店が存在する必要があると考えるのです。



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 併売店が生き残る術としては、私は郊外型の路面店はなるべく諦めて頂き、食品を主に扱うようなスーパーマーケットのテナントとして、常に消費者の目に触れやすい場所で生き残りを模索していくべきだと考えます。


 食品スーパーは好むと好まざるとにかかわらず、だいだいのご家庭の人が行く場所ですから、一人の消費者が月に10回、年に120回通うとして、そのうち1回でも「そういえば携帯が・・・」と、何か引っかかるものがあって、お店に近づいてくれる可能性を作ることが出来ます。
 これが路面店だと車や自転車で高速で素通りされてしまいますので、120回に1回のチャンスすら作れません。


 食品スーパーの店内に間借りできる場所が取れなければ、最近ではアクロスプラザのような比較的小規模なショッピングセンターの類もありますので、スーパーに行ったついでに、徒歩で立ち寄れる立地を確保する事が重要であります。


 そういった場所で店を作り、従来通りのMNOの販売と並行して、サブブランドキャリアとMVNOを取り扱い、消費者に選択肢を示していく事が重要だと私は考えます。



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 併売店が大変な苦境に立たされていて、私もなんとかお役に立ちたいと毎日考えながらも、何一つ役に立てずに、とても悔しく感じています。


 私自身の能力不足に歯ぎしりする思いでおります。


 まだなんとか踏みとどまっておられる併売店の皆様に、なんとか頑張ってほしいですし、役に立てる術を考え、実行してまいりたいと考えております。



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