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我が国における領有権争いと言えば、東京都の中央防波堤埋立地を巡る大田区と江東区の争い、そしてよみうりランドを巡る神奈川県川崎市と東京都稲城市の争いが有名かと思われますが、それはそれとして、この機会に皆さんにぜひ覚えて頂きたい領有権の問題が富士山にあるのだと、私はお訴えしたいと思うのです。
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恥ずかしながらこのワタクシ、2018年に山梨県に引っ越してくるまでは、富士山は静岡県のものだと勘違いしておりました。
しかしこれは大きな間違いで、富士山は山梨県のものであります。
これはいわば、東京ドイツ村が東京にあると勘違いするくらい恥ずかしい事でありまして、2018年6月に山梨に来てからというもの、自らの過ちを深く反省し、私も山梨県民となったからには、金輪際私のような過ちが他の人に起こらないよう、率先して努力、勉強する意思を示していきたいと考えるに至ったのであります。
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富士山は登山をされる方がとても多い事で知られていますが、では富士山を訪れるのにどういうルートで富士山に向かうのがポピュラーかと言いますと、JR中央線大月駅を経由して富士急行線に乗って富士山駅に向かうか、もしくは中央道で大月ジャンクションを経由して富士吉田インターチェンジで降りて向かうというのがほとんどであります。
一応静岡側にも須走口という登山口があるにはあるものの、鉄道は通っておらず、高速道路で行くとなれば結局山梨側の富士吉田インターチェンジを通り越して東富士五湖道路の須走インターチェンジまで遠回りしなければなりませんし、山梨を通らずに静岡だけで向かおうとすると、そこからだいぶ離れた東名道の御殿場インターから狭くて渋滞も多い一般道を通っていくしかなく、あまり現実的とは言えません。
そして、我らが山梨はより一層富士山に行きやすくなるようにという取り組みから、昨年にはこのような活動を本格化致しました。
このように山梨県は積極的に富士山のインフラ整備を行っているのに対し、静岡側といえば、2020年度にようやく新東名の御殿場インターと須走エリアを結ぶバイパス道路が完成する見通しが立ったという程度で、山梨側のアクセスの良さとはまだまだ比べ物にならないと言えるのではないでしょうか。
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歌川広重の東海道五十三次では静岡側からしか富士山が描かれておらず、さらに近年では「三保の松原」が世界遺産の構成資産になった事から、ますます富士山が静岡のものであるかのような誤解が広まりつつあるように懸念する所でありますが、確かに富士山のごく一部が静岡県内にかかってはいるものの、ほとんどそれは「富士山が近い」「富士山がよく見える」というだけであって、見方によっては「富士見市」と「ふじみ野市」を抱える埼玉県と大して違わないのではないでしょうか。
つまり静岡というのは埼玉に海を付け加えたようなものに過ぎないのであります。
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山梨のテレビで流れるローカルニュースは、富士山と武田信玄の話題で全体の半分を占めていると言っても過言ではありません。
つまり山梨県民はテレビのスイッチを入れた途端に、富士山と武田信玄の素晴らしさを延々洗脳され続けるのであります。
そしてそういった日々を1年半も続けていると、こうして富士山に対するとめどもない愛で満ち満ちてくるようになるのであります。
これからもわたくしは、富士山のため、武田信玄のため、そして山梨のために精一杯頑張ってまいる所存であります。
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