弊社の事業とは何の関わりもありませんが、個人的な趣味の一環として、秋田県大仙市で行われた「ジャンボうさぎフェスティバル」を見に行ってまいりました。
私は飼育歴が10年以上になるうさぎ愛好家でありまして、現在も1羽、この業界で言う所のミックスのうさぎ(オス・2歳)を飼っております。
↑この子です。
ジャンボうさぎやこのイベントの存在もかねてよりインターネットを通じて存じ上げており、日本だけでなく特にヨーロッパのイギリスやフランスでも10キロを越す大物が飼育されているという知識も得ておりましたが、いかんせん実際にこの目で見たことが無かったので、コロナ禍の自粛も終えた事ですし、秋田まで見に行くことにしたというわけであります。
さて、普通のペットとして飼われる品種や日本の原生種の野ウサギは大人でも体重が2キロくらいなのに対し、秋田県大仙市を中心に行われている養兎業の方々のうさぎは品種改良が重ねられて6キロから8キロほどの大きさに育ちます。
過去には10キロを越した個体も居たそうですし、今回のジャンボうさぎフェスティバルで展示されていたうさぎさんの中でも9キロを越す子もおりました。
わずか生後1年半でここまで大きくなってしまうのですから、その成長力たるやすさまじいものがあります。
普通のペットうさぎも生後半年で大人の大きさにまで育ちますから、この9キロ超えの「こまち」さんも恐らく生後半年くらいには既にこの大きさになっていたのではと思われます。
この「こまち」さんに関して言えば、体重が増えすぎたが故なのか、メスうさぎ特有の首周りにある「肉帯」と呼ばれる部位が肥大化し過ぎて、やや恐さというか強そうな生き物感を醸し出している風に思いました。
目つきの鋭さにも特有のものがあって、神社の狛犬のような、映画のネバーエンディングストーリーに登場するファルコンのような神々しさも感じました。
↑「こまち」さん以外のうさぎさんも大勢展示されていました
このように毛の色がみな白色なのは、恐らくは毛皮の原材料としての需要を見越してそのように品種改良を重ねられているものと思います。
これらのうさぎさんは、お肉は食用に、毛皮がアパレル方面にそれぞれに目的があって生産されております。
食用としての養兎はヨーロッパで盛んに行われ、かつては日本でもそれなりの数の専業の養兎農家さんがおられたと聞きます。
日本では明治から戦中くらいまでの間にペットとしてのうさぎブームが2~3回起きているのだそうです。
私がうさぎを連れて外を歩いていると当時を知るご高齢の方から話し掛けられて当時の思い出話をお聞きしたりした経験が結構あるのですが、ペットである反面、非常に繁殖力が高いので食用として見込んで飼育されていたご家庭も昔はそれなりにいらっしゃったそうです。
つまり食用としてのうさぎの歴史にも、それなりに長いものがあります。
産業としての養兎は衰退の一途を辿っているそうですが、私個人の考えとしては、肉類の食料自給率が特に低いわけですからそこを補うべく養兎を盛り上げていく必要があるように思いますし、何より食料安全保障の考えとしても、円安進行で輸入依存の現状打破が喫緊の課題となっている点を踏まえても、養兎産業のテコ入れ、振興は必要であるという風にも考えております。
↑秋田名物ババヘラアイスにも初挑戦できました
観光としてのジャンボうさぎフェスティバルについても考えました。
これだけ特異かつキャッチーなイベントであるにも関わらず、来場者数は見たところ1000人超えるかどうかという寂しいものでありました。
私は電車で現地を訪れましたが、最寄りの羽後長野駅から会場まで歩いて向かう私のような、いわゆる「わざわざ見に来た外部の人」は数えるほどしか見られず、本当にもったいないの一言だと感じました。
うさぎ界隈の他のイベントと比較すると、毎年横浜で行われる「うさフェスタ(※)」が連日大賑わいしていますから、潜在需要が相当大きいのは間違いないと私は思うのですが、秋田の方はとても謙虚で慎ましいですから、その慎ましさゆえのアピール不足の感が否めませんでした。
秋田県大仙市といえば全国的にも知られている「大曲の花火」がありますから、日程を調整してパッケージツアーに組み込んで来場者を増やすとか、うさフェスタに出展してアピールするとか、うさぎ専門店にポスター掲示やウェブサイトへの広告掲示をするとか、需要のありそうな所にピントを絞ってマーケティングをはかる必要を感じます。
世の中には「うさぎカフェ」といううさぎと触れ合える動物カフェもありますけれども、秋田県のアンテナショップと上下に接続する形で「ジャンボうさぎカフェ」などを展開して、ババヘラアイスを食べながらジャンボうさぎを愛でるという秋田にしかなし得ないものを打ち出してみても良いように思います。
ジャンボうさぎの販売も行われておりまして、とにかく飼ってみたい欲を抑えるのに必死になりながら楽しいひとときを過ごす事ができました。
山梨から秋田はあまり近いとは言えない距離ではあるのですが、次回は公共交通機関よりも車で行ったほうがいいかもしれないとか、既に次も行く前提で考えが止まらない感じでしたので、ぜひ皆様にお知らせした次第でございました。
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【追伸】地元に伝わる「ドンパン節」という歌の披露が行われていましたが、歌詞の一部にフェミニストの方々から顰蹙を買いかねないフレーズが含まれており、燃える前に少し直しておいたほうが無難に思いました。ご検討を。