KDDIがローソンを買収した件については非常に筋が良い、KDDIの将来に繋がるものだと感じています。
コンビニはこれから無人化への道を歩んでいくでしょうし、そのプロセスにネットワーク技術が不可欠ですから、KDDIの強みを発揮出来るはずです。
また、老若男女の様々なお客さんが訪れますので、KDDIの技術が色々な方面に応用出来るとアピールする格好の舞台になります。
それが世界へ展開されていくのだとすれば、売上のほとんどを国内で稼いできたKDDIにとって、願ってもないチャンスでしょう。人口減少する国内頼みではジリ貧になるのが見えていますから、ようやくその不安解消の糸口が見えてきました。
ですからそれはそれとして、前向きな感想を持っております。
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さはさりながら気掛かりなのが、新しくて面白いものが近年全く作れなくなってしまったKDDIが資金力に物を言わせてとりあえず将来の稼ぎ扶持を抑えに来たという、今まで以上の安定志向ぶりであります。
日本の携帯電話の歴史の前半部分をリードしてきたのはドコモですが、中盤から後半にかけては、少しJフォンとウィルコムが頑張り、そしてauがリードするようになってきたという風に私は見ております。
しかしながらもうauにもそのような業界を牽引する力もアイデアも失われ、かといって代わりになるような新興勢力の台頭も見られないから、消費者もこの業界に対する興味を失って、端末もさほど売れずARPUも伸びないという現状に帰結しているのだと思います。
ですから、堅実に稼ぎに行くのは当然だとしつつも、その上でもうちょっと他社にない取り組みを打ち出せないものか?と考えています。
それはコンテンツのクリエイターに場所と道具を提供して新しいものを生み出す助力になるようなスキームであるとか、新興系の端末メーカーに資金援助をしたりしてエポックメイキングなものを作らせるとか、色々出来るだろうと思うのです。
そういった、新しくて面白いものを生み出す努力を、もうちょっと本腰を入れて取り組んでくれたら良いと、私は期待しております。
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