モックセンター のブログ

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携帯電話業界に史上最悪の逆風が吹き荒れています

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 連日のようにTVニュースやワイドショーで取り上げられるこの件について、私は苦々しい思いを抱いております。


 MNOキャリアの体力を削る事で5Gや6Gを推進する能力を失うのは間違いなく、また、キャリア本体以外の実に様々な職域に広がる雇用不安、そしてゆくゆくは2000年前後の頃のように、我が国のIT技術や普及の度合いが先進国から大幅に立ち遅れる事態を招くのではないだろうかと、その影響の及ぼす範囲のあまりの大きさに、私は恐怖を禁じ得ないのです。



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 この記事でも触れられているように、菅義偉総理は第一次安倍政権下において総務大臣として様々な規制を行い、それが国内の電機メーカーに甚大な影響を及ぼしたのは記憶に新しい所です。


 その規制によって、それまで年間5000万台以上売り上げていた国産携帯電話の売上が半分程度に急激に落ち込み、日本全国に点在していた製造工場の閉鎖、従業員の大量解雇、革新的技術の海外への離散が繰り返されたのであります。


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 ジャパンディスプレイという国策会社も、元はと言えば菅総務大臣による規制強化、販売急落で売り先を失った電機メーカー3社(ソニー、日立、東芝)の液晶パネル製造部門を血税で救わなければならなくなったのがその由来でありまして、その国策会社の経営が一向に上向かず、また、台湾の会社に拾われていったシャープにその製造拠点を譲り渡さなければならない体たらくを招来したのであります。


 たった1年の総務大臣時代でここまで甚大な悪影響を及ぼしたわけでありまして、それが今度は総理大臣としてより一層ハードな攻撃を繰り出してくるとなれば、携帯電話業界がまるごと吹っ飛ぶだけでは済まないだろうと、それが先述した恐怖に繋がっているのであります。



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 そもそも、携帯電話の料金は公共交通機関のような許認可制ではありません。


 それが、「公共の電波を使ってるから」という理由で政府の介入を許容するのだとすれば、やはり税金でインフラを整備した道路を使って事業を営んでいる物流運送業や、首相官邸や各省庁で記者クラブの設備を使っているマスコミ各社、気象衛星を使って事業を営んでいる天気予報会社、その他様々な民間企業の経営に政府介入を許す口実となりうるわけで、それはつまり戦前戦中の国家社会主義的な統制経済を意味するのではないでしょうか。


 そしてそれは、米中摩擦が苛烈を極めるこの時期にあって、社会主義思想、要するに中国側にシンパシーを持つ国であるというメッセージにもなり得るのではないでしょうか。


 先日は中曽根康弘元総理大臣の葬儀が営まれましたが、その中曽根康弘さんが首相在任中に大変な苦労を押して進めた資本主義的な政策を、こうして一気に元の木阿弥にしてしまうような事が、果たして許されるのでしょうか。



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 私は日頃、事務所のテレビでワイドショーを垂れ流しながら仕事をしているのですが、ここ最近の「携帯4割値下げ政策」をヨイショしまくるテレビ番組の風潮に首を傾げざるを得ないのであります。


 というのも、様々なテレビ局がこぞって、先進国各国の通信料金比較で日本は7000円近く、ニューヨークに次ぐ2位の高さだと、しきりに料金が高い高いと喧伝するような番組作りをしているのであります。


 番組制作をバックアップするスポンサー陣の顔色を全く忖度しないその姿勢はマスコミとしてある意味正しいのかもしれませんが、ワイモバイルやUQモバイルが年間数百億円かけてCMを流して安い料金で使えると一生懸命宣伝しても、一向に認知度が上がらず、視聴者はおろか番組出演者でさえCMの内容を頭に入れていない、要するにテレビCMを打つ意味が全く無い事をこれらの番組が露骨に証明してしまっているわけでして、「本当にそれでいいのか?」と疑問に思わずにはいられないのであります。


 テレビ局までもが、大スポンサーである携帯キャリアを敵に回して大バッシングに加わる有様を見ておりますと、業界側から見ている私にとって、本当に孤立無援で、地獄に落ちる以外の道が何も残されていないと、途方に暮れる気分に陥ってしまうのであります。



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 私が神奈川を離れて山梨に活路を求めた元々の理由は、日本の携帯業界の先行きが危ういと思っている事と、東京五輪後の景気後退局面で政府が地方創生に活路を見出そうとするだろうと予想したからなのでありますが、その予想は新型コロナと菅総理の登場で予想以上に酷い勢いで加速しておりまして、とりあえず私としては、携帯電話業界から完全に足を洗うわけではないものの、全く別の領域で生活の糧を模索しようと、本気の取り組みをする決意をした所であります。


 果たして、携帯電話業界の将来はどのように移ろっていくのでしょうか。


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