モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

なぜドコモはスマホにロゴマークを載せ続けるのか


 政府からシムロックを禁止された今でも、ドコモは自社で販売するスマートフォンのうちアップル以外のものに「docomo」のロゴを載せ続けています。

 シールのような剥がせるものではなく、筐体に直に印刷しているので、ドコモでアップル以外のスマートフォンを購入しますと、ほぼ必ずドコモのロゴマークがついてきます。

 身体は自由化しても、精神は引き続き束縛し続けるという、ドコモの強い意志が見え隠れしています。



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 このロゴマークを載せるという謎文化の歴史は古く


 1994年の買い切り制度が始まった頃の端末にも



 全盛期のモトローラにも

 ブラックベリーにも


 ディズニーのコラボモデルにも


 
 海外メーカーだろうとディズニーモデルだろうと、容赦なくドコモのロゴマークを載せ続けてきたのであります。




 その昔、ライセンスの都合で筐体にクアルコムの認証を示す刻印をしなければならなくなった時は、それがあまりにも嫌だったらしくすぐに剥がせるシールで対応した事もあるドコモですが



 あれから20年近くが経った今なお、自社のマークはシールではなく、剥がせない印刷を施し続けています。


 かなり早い段階からロゴマークを載せなくなったソフトバンクや、ここ数年で載せるのを止めたauなどの業界の流れもある中で、ドコモだけは依然として自社の流儀を貫き続けています。



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 これが一体何故なのかと言いますと、NTTグループでは基本的に自社で販売するハードは「NTTの商品」という位置づけで、どこのメーカーが製造開発を担おうとこれはNTTの商品である体裁を保ってきた会社だから、なのであります。


 実際、公衆電話にしても黒電話にしても基本的な仕様はNTTが作っていて、メーカーはその仕様書に沿って製品作りをしていたわけですので、今風に言えばOEMとか、ファブレスメーカーとか、自分達をそういった位置付けに置いていたから、ドコモにおいても必ずドコモのロゴマークをつけ、「NTT(ドコモ)の商品」という体裁を保ち続けていたのであります。


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 しかしながら、現下の携帯電話業界においてはほとんどの場合、大手3社に同じ端末を出すという流れが定着していて、XperiaにしてもAQUOSにしても、それが「NTTの商品」で無いのは誰の目にも明らかなのでありまして、それに加えてシムロックも禁止された今となっては、端末にドコモのロゴマークをプリントする意義は、ほぼ無くなっていると言えるのではないでしょうか。

 これはあくまで私の憶測に過ぎませんが、もしもドコモがNTT持ち株の持ち株比率が低いまま変わらず、距離感を一定程度保てていたならば、ドコモもauにならってキャリアロゴのプリントを止める方向へ進んだのではなかろうかと思います。

 ドコモを強く主張する理由が薄れていますし、費用対効果や売れ残り端末の後始末のつけ難さといった、ロゴマークがデメリットでしか無くなっているからです。


 しかしながら、安倍政権から菅政権に変わったのと時期を前後してNTT持ち株がドコモに対する支配力を強め、合理性よりもNTTグループのブランディングが優先されるようになってしまった流れにより、ドコモのスマホにドコモのロゴマークがプリントされ続ける事態になってしまっているのではないでしょうか。


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 顧客の利便性や満足度は二の次三の次というNTT東西の社風がどれくらいドコモに影響するのか、生暖かく見守り続けていきたいと思います。



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