モックセンター のブログ

携帯電話スマートフォンのモックアップを販売しているモックセンターの中の人のブログです。中の人はTVチャンピオンケータイ通選手権の出場者でもあります。最低週に1度は更新したいと思います。弊社の業務に関するお問合わせは弊社ホームページのお問い合わせフォームや電話窓口にお寄せ下さい。

なぜ国の通信政策はいつも裏目に出るのか

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k-tai.watch.impress.co.jp


 この記事を読みまして、なるべくしてなった状況だと感じました。

 手前味噌で恐縮ですが、私は昨年12月に、このままではワイモバイルとUQのサブブランド勢が独走するのではないかという懸念をこのブログの中で書いてまいりました。

hodogayamockcenter.hatenablog.com


 かくして、予想通りの結果となりました。

 サブブランド勢が独走する理由についてケータイウォッチの記事ではインフラ面の優位性を挙げているようですが、私はそうではなく、一番の要因はTVコマーシャル攻勢と販路の多さ、これに尽きると考えています。

 だいたい、ほとんどのユーザーはサブブランド勢とMVNOでインフラの違いがどう起きているのか、全く把握しておりません。何が違うのかわかっていないから、それを理由にサブブランド勢を選んでいるわけではない、そう分析しています。


 それよりもむしろ、大量のTVコマーシャルによる認知度の向上、そして圧倒的な販路開拓による接点の多さ、これがサブブランド勢好調の最大要因であるのは疑いようがありません。


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 国や総務省の問題意識が「どうしてMVNOが広がらないのか」という点にあるのだとすれば、この有識者会合で話し合われている内容は全くのピント外れで、問題解決に繋がる糸口にさえなりえないと、私は考えます。


 また、これまで私が見てきた旧郵政省や総務省の通信政策に関する議論や方向性の多くも、だいたいこんな感じで問題意識とのピントのズレが大きく、なんだかんだやってみても成果が得られないどころか、副作用だけが出て、多くの血と涙が流されている現状があります。

 2005年に決まったイーモバイルソフトバンクアイピーモバイル計3社の新規参入(周波数割当)。2008年前後に始まった端末販売価格の大幅値上げ、それにともなって開始された割賦販売制度。2015年から始まった携帯料金値下げ圧力、およびキャッシュバックや0円販売禁止。
 これらの国主導の主要な政策がどのような結末を迎えたのか。改めて申し述べるまでもなく、大大大失敗で誰も得しないばかりか、大量の失業者と廃業、メーカーの撤退によって多大な国富の損失に見舞われたわけでして、このあたりの総括も満足に行われないまま、新たな一手を出して突っ走ろうというのは、まるでジンバブエの通貨政策のごときで、悪政にも程があるのではないでしょうか。


 まずは政府や総務省に意見を具申する有識者の顔ぶれを一新する事や、総務省内の担当部局の刷新をはかって、しっかりと結果を得られる体制を作る所から始めるべきではないでしょうか。


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 これらの悪政の数々によって我が国の通信、携帯電話業界の国際競争力がみるみるうちに失われております。かつて世界各国から垂涎の的であった日本の携帯電話の威信は失われ、もはや危機的状況と呼んで差し支えありません。

 
 発言力や権限を持っている方々におかれましては、危機感を持って事に及んで欲しいと、痛切に願っている所であります。